一家心中から2年の「猿之助」に代わって仕事急増の“独身イケメン”歌舞伎俳優とは?

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 歌舞伎俳優の市川猿之助(49)が父親の市川段四郎(享年76)と母親(同75)と共に一家心中を図ったのは2023年5月18日。一命を取り留めた猿之助は同年11月、両親に対する自殺幇助の容疑で逮捕され、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決が確定した。あれから2年、猿之助は表舞台には戻っていないが、彼に代わっていい活躍をしているのが尾上松也(40)だという。

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 歌舞伎俳優がテレビドラマや映画に出演するのは今に始まったことではない。萬屋錦之介(前名・中村錦之助=1932~1997)は歌舞伎界から映画界に転じ、昭和の時代劇スターとして活躍した。当時は映画に出るなら歌舞伎を辞めることを迫られての転身だったと言われる。もちろん今ではそんなことはない。

 歌舞伎俳優の出演が話題になったドラマといえば、2013年7月期に放送された日曜劇場「半沢直樹」(TBS)だろう。堺雅人が演じた主人公の「倍返しだ!」もさることながら、香川照之(市川中車=59)が演じたパワハラ上司の土下座、片岡愛之助(53)が演じたオネエ言葉の役人も注目された。

 これに気をよくしたのか20年7月期に放送された第2弾では、愛之助と中車に加え市川猿之助と尾上松也も加わって、彼らの見得を切るかのような濃い演技は“顔芸”とも評された。以来、各々がバラエティでも大活躍を見せたことは、デイリー新潮が同年10月7日に配信した「歌舞伎役者がバラエティ番組でバブル状態 やむにやまれぬ業界の苦しい事情も……」でも報じている。ただし「最近はそこまでの勢いはない」と言うのは民放プロデューサーだ。

「22年に銀座のクラブでの性加害が報じられた香川が活動を自粛。その翌年に香川の従兄弟にあたる猿之助の一家心中未遂が起こり、ドラマに歌舞伎俳優を起用するブームは消えたと言っていいでしょう。愛之助などは現在放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に出演していますが、『半沢』で見せたような濃い演技はしていません」

「半沢」での松也の演技はそれほど大袈裟ではなかったが、今になってドラマをはじめ各方面での活躍が目立つのはなぜか。

世代の違い

「そもそも今の歌舞伎界を背負って立っているのは、市川團十郎(47)はじめ松本幸四郎(52)、中村獅童(52)、愛之助など1970年代生まれの役者たち。猿之助も活動を続けていたら彼らの中心になったはずです。本来なら中村勘三郎(1955~2012)や坂東三津五郎(1956~2015)など50年代生まれが引っ張っていたはずですが、二人は相次いで亡くなってしまった。その次の60年代生まれは中村芝翫(59)くらいのため、現在、歌舞伎界は70年代生まれが中心となって牽引しています。一方、80年代生まれの松也は彼らの弟分の世代なので、まだ歌舞伎以外の活動にも自由が利くのです。『半沢』の頃は若かったため、兄貴世代ほど振り切った芝居はできなかったということでしょう」

 松也は現在、歌舞伎はもちろんミュージカル、舞台、映画、ドラマなど活躍の幅を広げている。

「興味がなかったミュージカルをやるようになったのは、猿之助に劇団四季の『ライオンキング』に連れて行ってもらったのがきっかけだったとインタビューで答えています。歌に自信も持つようになり、ミュージカル俳優の山崎育三郎と城田優とともに『IMY(あいまい)』というユニットを組んだほど。他の仕事も軒並み増やしており、本人は『すべてはCMのため!』なんてうそぶいたりしていますが、細かな舞台の仕事から悪玉親分の映画まで出まくるのがモットーのようです」

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