「連絡は回覧板」「アポなし訪問で自治会費を集金」…LINEやPayPayとは無縁な“埼玉の団地暮らし”が快適に思えてきた理由
埼玉にもある紙文化と非ネット社会
コロナ騒動を機に、埼玉県内のベッドタウンにある団地に引っ越した67歳のベテラン記者・S氏は、団地の自治会で書記を依頼されている。原稿の執筆経験が豊富なS氏はてっきり、「面倒で誰もやりたくない仕事だから、周りの人たちが僕に仕事を回そうとしたのかな」と思ったというが、実態はそうではなかったのである。
「数十人の住人のなかに、パソコンを満足に扱える人がほぼいなかったのです。自治会の集会室に行ったらコピーの複合機が置いてありました。紙に連絡事項を書いて、コピーして配布するスタイルをいまだに続けていたんですよ。...