「体重急増」に「稽古不足」…「大の里」最速綱取りに囁かれる不安 巡業でも親方衆から“ダメ出し続出”だった
かぶりついてでもやらんか!
大の里の「稽古不足」はこれまで何度も指摘されてきた。
「一門の連合稽古などでは、一時間ほどで息が上がってしまう。ガス欠ぶりを見た二所ノ関一門のある親方は“稽古が圧倒的に足りない。このままでは必ず怪我をする”と言っていました。自身は鳴門部屋の荒稽古で鍛え上げられましたが、二所ノ関親方はその伝統を自らの部屋に引き継がず、土俵での稽古は週に3日ほどが基本です。部屋が茨城県阿見町と都心から離れていることや、親方の方針もあり、出稽古にもそれほど頻繁にはいかない。しかし、自分を除けば部屋の最高位は十両の白熊ですから、猛稽古の代表格である伊勢ケ浜部屋の力士などと比べ、大の里の稽古が量も質も劣るのは明らかです」(相撲協会関係者)
こうした状況を憂いてか、師匠に代わって、他の親方が大の里に苦言を呈してきた。
例えば、昨年名古屋場所10日目、前日に敗れた大の里は「気分を変えたい」と朝稽古を休んだ。これに噛みついたのは元大関・栃東の玉ノ井親方。スポーツ紙での連載コラムで、「気分転換が目的で稽古を休むなんて想像できない」「もっと自覚を持って」と辛らつなコメントを。
昨年秋場所前の横審の総見では、目の前で申し合いが決着しても名乗りを上げない消極姿勢を見せ、前出の境川巡業部長から「大の里、お前目の前だろ! かぶりついてでもやらんか!」と一喝されていた。
「それでもこれだけ勝てるのですから、その素質にはものすごいものがあるのでしょう。逆に言えば、才能だけでやっているとも言える。さらに言えば、大の里には横綱に何が何でも昇進するという覇気が感じられません。4月30日の力士会の後、記者会見があり、そこで綱取りについて聞かれた大の里は“棚からぼた餅じゃないけど、降ってくるものと思って”と回答。気負わないように、という意味なのでしょうが、横綱を“神”と表した貴乃花と比べて『ぼた餅』とは……。現代っ子と言えばそれまでですが、先場所の優勝の際の記念撮影でも両足を投げ出して映っていましたし……」(同)
万博巡業も
今年は相撲協会にとって、財団法人設立100周年のメモリアルイヤー。10月にはそれを記念してロンドン公演が決まっている。また、8月には大阪万博での巡業も決定。インバウンド需要で活況を呈している今の相撲界にとって成功が求められる。豊昇龍だけではなく、東西の横綱、とりわけ日本人横綱の土俵入りを披露させたいところである。八角理事長以下、協会幹部の願いは今場所での大の里の連覇→横綱昇進。しかし、3場所合計で33勝という平成以降最低の成績で、言わば“あご足付き”で昇進させた豊昇龍が、横綱初めての場所となる先の春場所で途中休場し、協会も批判を浴びたのは周知の通り。大の里も先場所は優勝したとは言え、3敗を喫していることもあり、昇進には高い次元での成績が求められる。そんな中、本人のより一層の奮起が求められるが……。その結果は果たして。
[2/2ページ]

