なぜ人は“見た目が似ている相手”とばかりツルむのか…“量産型”と囁かれる「港区女子」のホンネ

ライフ

  • ブックマーク

同じような顔が生む一体感

 港区女子も含めた女性についての話に戻るが、なぜか同じレベルのルックス同士でつるむこととなる。

 なぜこのようなことになるのか? 結局「差別心」なのではなかろうか。女性の気持ちはよく分からないが、美人がブサイクを蔑む発言をするのは見たことがある。整形手術をして美人になった人がブサイクを見下す発言も聞いた。

 なんだか意味のないことをしておるな……と呆れたが、これが人間の本能なのだろう。「ブスが一人でもいると私達グループの価値が下がる」とでも考えているのだろうが、実にさもしいし、差別主義で軽蔑すべき態度である。

 昨今、加工をしまくったプリクラ画像をSNSで見ることがあるが、正直、誰が誰だか分からない。だが、同じような顔であることが仲間としての一体感に繋がっているのであろう。

 ルックスが同じようなレベルの人と付き合うことによって自我を保てるというのは実に惨めなことである。なぜなら付き合う相手に求めるべきはルックスではなく、考え方なのだ。あっ、そうか。「ブサイクはイヤ」という考え方が合ってる者同士が付き合ってるので、一応考え方は合っているんですね。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。