「1回のライブでスパチャ100万円超も」 玉木雄一郎氏が「政治家YouTuber」の覇者になれた理由 年間推定収益は驚愕の金額

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野党動画が再生されやすい理由

 そもそも切り抜き動画では、野党を取り上げた方が再生されやすいともいう。

「私自身は国会の中で面白かった質疑ややり取りを探して切り抜いています。その時に注目する点は“対立構造”が認められるかどうか。見苦しく言い訳する自民党などの“体制側”に対して、時に怒りながら庶民の側に立ち、質問や追及をする姿は目を引きます。国民民主党では玉木さんより榛葉賀津也幹事長の方が切り抜かれていますが、それも自民党の政策や記者に対して、歯切れよく物申すところが見ていて小気味よいからでしょう」

 K氏自身は、昨年30代半ばで元の職場を退職、現在は専業YouTuberとして登録者数約8万人のチャンネルを運営している。

 広告収益の額については言葉を濁しつつ「大体同年代のサラリーマンの給料と同じくらい」と答えるのだった。

1回のライブで100万円超のスパチャも

 こういった“共生関係”にあるYouTuberが動画の拡散に寄与するほか、玉木氏自身が週1回程度で行う「ライブ」も重要な役割を担っている。

 企業のYouTube運営を手がける、株式会社動画屋の木村健人代表が解説する。

「ライブはYouTube上で行われる生配信。玉木氏はスウェットなどの緩い格好で、1時間にわたり視聴者からの質問に答えつつ話をします。飾らない姿での交流は、熱心なファンへのサービスになっている」

 また、長尺のライブは切り抜きの素材にもなる。

「切り抜かれた短い動画で玉木氏に触れた人が、興味を持って次は10分前後の解説動画を見ます。そこでハマれば、さらに長尺のライブを見て……と、パターンが完成しています。視聴者のハマり具合に応じた再生時間・内容の動画を見られるようになっており、YouTubeの機能の使い分けが巧みです」(同)

 実際、玉木氏は1回のライブで100万円を超すスーパーチャット(投げ銭)を視聴者から集めたこともあり、動画を通じて“推す”人が多いことがうかがい知れる。複数の試算サイトで広告収益についても調べたところ、年500万~700万円程度という結果だった。 

 こういった動画の収益について玉木事務所は、

「2024年10月以降は試験的に収益を受け取り、すべて玉木個人の所得として確定申告と納税をしています」

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