「彩咲陽さんと付き合えたのは、母親の金を使ったから」 川崎・女性死体遺棄事件、白井容疑者は「ボンボンで、悪さをしてもとがめられなかった」

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「母親は“ヒデくん、ヒデくん”と……」

 当時の白井容疑者は、川崎市内の市立小学校と中学校を出て県立高校に入学したばかり。白井容疑者を古くから知る人物が振り返る。

「基本的に一人では何もできない奴です。高校ぐらいからガラの悪いのとつるんでいましたね。中学までやっていたサッカーをやめて、ラッパーになっていた。地元川崎出身の『BAD HOP』という有名なヒップホップグループに憧れたのでしょう」

 ただし、どこか中途半端に映ったそうで、

「それは、あいつの家が裕福だったからです。母子家庭ではありますが、いつも金を持っていた。兄2人と姉1人の4人きょうだいの末っ子だったからか、母親からは“ヒデくん、ヒデくん”と呼ばれて甘やかされていた。あいつがどんなに悪さをしても母親がとがめることはなかった」(同)

「岡崎さんと付き合えたのは、母親の金を使ったから」

 ラッパー活動をしつつ、川崎市内にあるとびの会社で働いていた。

「給料がさほどいいわけでもないのに、いつもタクシーで移動し、領収書をたくさん財布に入れてました。それについて尋ねた相手には“母親が金をくれる”と言っていた。被害者の岡崎さんが勤めていた川崎駅近くのスナックには、最初は会社の人に連れて行ってもらったらしいけど、岡崎さんと付き合えたのは自分の給料ではなく母親の金を使ったからですよ」(前出の白井容疑者を知る人物)

 いつしかラップから離れ、とびの会社も無断欠勤続きでクビに。

 昨年4月に出会った岡崎さんにもひと月で別れ話を切り出され、ストーカーと化した男が手玉に取ったのは警察だけだった……。

  前編【「“娘は臨港署に殺された”と訴えるのも無理はない」 川崎・女性死体遺棄事件、遺族を支援する元刑事が憤慨 「事件性ナシとの前提で対応していたとしか思えない」】では、神奈川県警の捜査の問題点について、遺族を支援する元刑事などに聞いている。

週刊新潮 2025年5月15日号掲載

「川崎ストーカー死体遺棄 元ラッパーを増長させた『母親』と『高1時代の事件』」より

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