DeNA「バウアー」完全復調のカギを握る「登板間隔」と「女房役」の存在 2年前と何が変わったか

スポーツ 野球

  • ブックマーク

徐々に復調

 横浜DeNAベイスターズのトレバー・バウアー(34)が今季2勝目を挙げたのは5月3日の巨人戦だった。122球、被安打6、与四球2、奪三振7。意外だったのはこれがNPB初の完封勝利だったことだ。三浦大輔監督(51)は「ゾーンを広く使って、緩急、両サイド、高低も奥行きも使っていた」と投球レベルの高さを絶賛していたが、それと同時にバウアーに対する二つの疑問が残った。

 一つは次回登板までの間隔、そしてもう一つは、バウアーが先発する日は松尾汐恩(20)がマスクを被っていくのかということだ。この日の時点で三浦監督はそのどちらの質問にも答えていない。

「答えられなかった、というのが本当のところだと思います。前回登板(4月27日)でも129球を投げており、本来だったら、5月2日が雨天中止にならなければバウアーは『中4日』でその日に先発していました。中4日で投げ続けたいとバウアーは思っているようですが、首脳陣は序盤戦からフル回転させるようなことはしたくないようです」(スポーツ紙記者)

 両者の考え方に乖離があるのは、三浦監督ら首脳陣からすると、ペナントレース後半で“息切れ”するようなことになれば、優勝争いに影響が出てしまう。また、バウアーだけに中4日という登板間隔を許せば、他の先発投手の調整が難しくなる。いや、実は他の先発投手への影響はすでに出ていると言っていい。

 雨天中止となった2日の巨人戦でのこと。中止の決定は午後1時には出されていたが、その発表と前後して、大原慎司チーフ投手コーチ(39)、小杉陽太投手コーチ(39)はバウアーと話し合いの場を設けている。ここでバウアーから「投げたい」との意思を聞かされ、翌3日へのスライド登板が決まった。本来3日に先発するはずだった東克樹(29)も一日ずれて、4日の先発となった。雨天中止で先発投手の登板日が一日ずつずれていくのはよく聞く話だが、東は23年最多勝のタイトルも獲得したエースである。エースの調整よりも「バウアーの意思」が優先されたわけだ。

「4月27日の広島戦、5月3日の巨人戦と連勝したから良かったんです。バウアーは開幕から3連敗スタートとなり、その時点では23年に見せたマウンドでの脅威も感じられませんでした。負けが込んでいる投手を優先することはできませんが、立ち直ってきたから、ローテーションがバウアー優先となっても問題にならなかった」(前出・同)

 関係者の話を総合すると、今後も投球数などを見てその都度、首脳陣と話し合って次回登板を決めていくという。また、バウアー登板日のスタメン捕手は、しばらくは松尾が務めることになりそうだが、このパートナー役も先発ローテーションに大きな影響を与えそうだ。

次ページ:誰が捕手を務めるのか

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。