カブス「鈴木誠也」打撃好調でも「108人中82位」の不安材料…「ゴールデングラブ賞」5回の名手に何が
「強肩だが、守備範囲が狭い」
「クレイグ・カウンセル監督(54)も鈴木をフルタイムのDHプレーヤーにする構想でした。それをいち早く伝えた米スポーツ情報サイトの『On Tap Sports Net』も、“守備の心配がなくなったら、30本塁打以上打つ今季の期待選手の一人”に挙げていました。ちなみにカブスの編成トップのジェド・ホイヤーGM(51)は23年オフ、『守備だけは期待通りではなかった』とコメントしています」(前出・同)
鈴木は昨季後半からDHでの出場が多くなった。理由はやはり「鈴木よりも巧い外野手がほかにいるから」だが、その根拠を示すデータがある。
メジャーリーグ公式データサイト「Fan Graphs Baseball」がまとめた23、24年シーズンの守備指数「Fielding Run Value」によれば、鈴木は1000イニング以上の守備に就いたメジャー外野手108人中で82位だった。「守備での失点阻止」、「相手チームに傾いた試合の流れを止める」など、チーム貢献度を数値化したもので、鈴木は「-2」となっていた。「0」が平均値なので数値上では“守備に難あり”ということになる。
また、同じく公式データサイトの「Baseball savant」では肩の強さや守備範囲の広さなども数値化されていたが、こちらを見ると、鈴木の守備における決定的な弱点が表されていた。守備範囲や打球に追いつくまでのスピード、さらにアウトカウントを取るのに貢献したプレーを数値化する「Run r」が「-3」。こちらも「0」が平均値だ。それに対し、肩の強さを示す「Arm Strength」では最大値の「100」に対して、「89.4」と高い数値を残している。つまり、鈴木は「強肩だが守備範囲が狭く、打球判断も遅い」と評されているのだ。
「鈴木からライトの定位置を奪ったタッカーの『Arm Strength』は85.3で、鈴木よりも低い。でも『Fielding Run Value』は1。メジャーリーグの編成担当は『Fielding Run Value』の数値や、『Baseball savant』の『Run r』を重要視します。鈴木のほうが肩が強くても、『Fielding Run Value』と『Run r』で平均以下のマイナスを出しています。鈴木とタッカーのどちらを守備に就けるかは明白です」(前出・米国人ライター)
[2/3ページ]