「ダウンタウンDX」後番組を任された実力派 「あたおか」を広めたコンビは“後継者”になれるのか

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コンビの多面的な魅力

 長く続いていた人気番組の「ダウンタウンDX」(関西テレビ制作、日本テレビ系)が6月に終了することになった。その後番組として、見取り図がMCを務める「見取り図の間取り図ミステリー」がスタートする。

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 ダウンタウンというレジェンド級の芸人が担当していた長寿番組の後を任されるというのは、今まさにテレビ業界から信頼されているという証しである。なぜ彼らがその重責を託されたのか。その理由は、見取り図というコンビの多面的な魅力にある。

 まず注目すべきは、ツッコミ担当の盛山晋太郎の圧倒的な言語センスとしゃべりの技術である。漫才の中で彼が発した「頭がおかしい」という意味の「あたおか」という造語は、若者の間で自然に広まり、SNSの流行語大賞にまで選ばれた。これは芸人としての影響力の高さだけでなく、くせになる言葉を瞬時に生み出せる時代感覚とセンスの賜物である。

 さらに、盛山のツッコミは「声」「間」「言い回し」といった要素がそれぞれ絶妙であり、何気ないフレーズでも彼が言えば面白く聞こえてくるようなところがある。見た目は怖そうだが、しゃべると何とも言えない愛嬌がある。そのギャップこそがバラエティにおいては貴重な武器になる。

 一方、相方のリリーは、ひょうひょうとした立ちふるまいで独特の間合いを操るボケ役だが、単なるとぼけたキャラという感じではなく、知性と計算高さもある。美術の教員免許を持ち、アートについて語るウェブ連載も手がけており、文化的素養もある。目上の人にも萎縮しない大胆さがあり、先輩芸人の懐に入るのも得意としていて、とんねるずの木梨憲武とも親しく交流している。

 見取り図の真の魅力は、この2人の性格・風貌・スタンスの絶妙な「非対称性」にある。盛山は明るくオープンな性格で、リリーはクールに見えて観察眼が鋭い。盛山が熱を帯びて話せば、リリーが冷やす。リリーが突拍子もないボケを放っても、盛山が的確に拾う。この役割分担が自然に機能しているからこそ、どの番組でも見取り図らしさが揺らぐことがない。

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