有望な「男性アナ」が続々退社…「フジテレビ」新制度導入でアナウンサーの“流出”を阻止できるのか

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辞めていったアナウンサーたち

 これまで、若手時代から「プロ野球ニュース」や「笑っていいとも!」などで活躍していた山中秀樹アナ(66)は別部署に異動した06年内に退社しフリーに。朝の情報番組「とくダネ!」などで活躍した笠井信輔アナ(62)も19年9月にフリーに転身した。

 五輪中継で活躍した西岡孝洋アナ(49)は今年3月に退社。これまでに取得した行政書士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を活かして「法律や不動産などビジネスの世界で活動していく」と説明。オファーがあればアナウンス業もこなしている。

 スポーツや格闘技中継で活躍していた03年同期入社の田中大貴アナ(45)は18年4月に、鈴木芳彦アナ(46)は22年9月に退社し、それぞれフリーとして得意分野で活躍している。

 有望な男性アナの多くが定年を迎えずにフリーへと転身したが、残っていてもあまり仕事をこなしている印象がないアナウンサーも。

「父がプロ野球界のレジェンドである田淵幸一氏、母がタレントのジャネット八田さんの息子で、05年入社の田淵裕章アナ(43)はBSやCSの仕事がメイン。父が歌手の藤井フミヤさんで16年に入社した藤井弘輝アナ(33)ですが、目立った仕事は『めざましテレビ』のスポーツキャスターぐらい。後は、若手のころから、ノリノリでよく父親の歌まねを披露。当然、激似ですが……」(放送担当記者)

 一方、女性アナは00年10月から新人女性アナの育成を目的にした、冠トークバラエティー番組「パン」シリーズがスタート。17年9月まで10人のアナウンサーに引き継がれた。しかし、初代の「チノパン」こと千野志麻アナ(47)、2代目「アヤパン」高島彩アナ(46)、4代目「カトパン」加藤綾子アナ(40)、7代目「ミタパン(番組名は『ミタパンブー』」こと三田友梨佳アナ(37)、10代目「クジパン」久慈暁子アナ(30)は、すでに退社した。

「かつての女子アナブーム時代以上に局としての“推し”を強化した形でしたが、抜てきされた新人アナには仕事が集中しました。雑務もこなしながら、多くの番組を掛け持つことになります。そのため、明らかにワークライフバランスがおかしなことになり、体調を崩すことも多くなりました。名前が売れているうちに退社してフリーになれば、自分のペースで仕事をこなせるし、CMが1本でも入れば、ほかの仕事と合わせて軽くフジ時代の年収を超えることが可能。その道を選びたくなるのも納得です。現在の女性アナの顔触れを見渡すと、『Live News イット!』のメインキャスターを努める宮司愛海アナ(33)、そして『すぽると!』のメインキャスターを努める佐久間みなみアナ(27)が特に忙しい印象です。今年入社した、浅倉美恩アナ(22)、石渡花菜アナ(23)、吉岡恵麻アナ(22)はいずれもミスコン経験者で、吉岡アナは『ミス日本2023』のグランプリを受賞。3人とも有望株なので大事に育ててほしいものです」(同前)

 そこで今後「人権に配慮したマネジメントを目指し、番組との調整役を果たす」役目で新設されるのがコーディネーターだという。

「おそらく、そのアナウンサーの適性ややりたい仕事をヒアリングし、適材適所への起用を目指すことになるはず。同一アナウンサーに仕事が集中することも回避でき、仕事量の格差も埋めることができるし、アナウンス室主導でのキャスティングが可能になります。当然、タレントやスポンサー企業との飲み会に動員されるのも回避できる。うまく行けば画期的な働き方改革です。ただ、そのアナウンサーが任意で行きたい場合はどうするのか、ガイドラインの制定が必要不可欠です。何より誰をコーディネーターに据えるのかが最も重要。アナウンサー経験者がベストですが、そこにキャスティングの権力が集中するわけで、私情を挟まない公平なキャスティングが求められます」(先のフジ局員)

 果たして、初代コーディネーターに抜擢されるのは誰か?

デイリー新潮編集部

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