「アンドリュー王子を訴えた女性」が自宅で死去 数週間前の“交通事故”報告と“家庭内暴力”報道との関連は
オーストラリアで4月25日夜、“世界で最も有名な被害者女性の1人”が死去した。バージニア・ジュフリーさん、41歳。米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告(2019年死去)の性的虐待を告発し、強要された行為の相手として英国王室のアンドリュー王子の名を挙げた人物だ。彼女に何が起こったのか。
アンドリュー王子と全面対決
バージニアさんが死去した場所は、西オーストラリア州パース近郊の自宅。4月26日に遺族が発表した声明によれば、「性的虐待と性的人身売買の被害者として生涯を送った末に自ら命を絶った」「虐待の影響はあまりに重く、最終的にバージニアが背負うには耐え難いものとなった」という。
このニュースは瞬時に世界を駆けめぐった。バージニアさんといえば、17歳だった01年にアンドリュー王子との行為を3度強要されたと繰り返し訴え、2021年8月に米国で民事訴訟を起こした人物だ。事実を否定しながらも和解に応じたアンドリュー王子は、公務から完全引退するなど王族としての名誉を失った。
その後のバージニアさんはオーストラリアでの生活に戻った。先に性的人身売買被害者の慈善団体を設立するなど社会運動家の顔も持っていたが、今年3月には不穏な内容のInstagram投稿が注目されるようになっていた。
雲行きが怪しくなった結婚生活
米カリフォルニア州で生まれたバージニアさんは、7歳から虐待を受け、14歳で路上生活者になるなど、不幸な子供時代を送った。実父の元に戻り、エプスタイン元被告の犯罪被害者となったのは17歳のとき。エプスタイン元被告との関係を断ち切ったきっかけは、2002年9月に出会ったオーストラリア人のロバート・ジュフリーさんだった。
バージニアさんはオーストラリアでロバートさんと結婚し、3児の母となった。エプスタイン元被告の告発を始めたのは2011年のこと。2017年に開設したTwitter(現在のX)のアカウントでは、エプスタイン事件の経過や慈善団体に関する内容を積極的に投稿した。
一方で、2020年に開設したInstagramアカウントにはロバートさんとの仲睦まじい写真を投稿していたが、2024年あたりから投稿数が減っていく。ロバートさんとの写真を投稿したのも、2023年の年末が最後となった。
世間がざわめいたのは2025年3月下旬、Instagramに子供たちの写真が投稿されたときだった。「子供たちは嘘で毒されている」「私を傷つけ、虐待しても、子供たちを奪わないで」といったメッセージは、結婚生活に重大なトラブルが発生したことを暗に伝える内容だ。すると3月末には、アザだらけの顔と体で病院のベッドに横たわる写真が投稿される。
「カーブで減速しているときに速度110キロのスクールバスが迫ってくれば、どんな車もブリキ缶と同じ」「腎不全になり、余命4日」と、大事故を報告する内容だったが、バスの運転手と乗客たちは「負傷者がいない軽い事故だった」と証言。ネット上ではバージニアさんへの非難が相次ぐようになる。
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