北京五輪“痛恨の落球”を悔やむ「GG佐藤」に「お前は勝利者だ」…恩師「ノムさん」の深すぎる言葉で「エラーがあってよかったな」と思えるようになるまで

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五輪でエラーをしたこともちっぽけなことかもしれない

「イタリアには野球の存在すらも知らない人がたくさんいて、街の人から『サッカー以外のスポーツもあるんだ……』とか、『お前はジャパニーズなのに中田英寿(元サッカー日本代表・ボローニャにも在籍)じゃないのか…?』と言われることも少なくありませんでした」

 そんな環境でプレーを続けていた佐藤氏は、徐々にかつての前向きな自分を取り戻し、やがて一つの結論を導き出すに至った。

「ほとんどの人が野球にあまり関心がない国で過ごしているうちに、これまで自分がとても狭い世界で生きてきたことにだんだん気付かされたんですよ。そこからは『五輪でエラーしたことも、自由契約を言い渡されたことも、世界的に見たら本当にちっぽけなことかもしれない』と思うようになって。『これまでは、野球が生活であり、人生の基盤そのものだったけど、もしかしたら、人生の大きな枠組みの上に仕事や野球があってもいいんじゃないのかな?』と考えを改めるきっかけを与えてくれました」

 佐藤氏は、イタリアで1年間プレーした後、2013年には西武時代の恩師である伊東勉氏に誘われ、千葉ロッテマリーンズにテスト入団。勝負強い打撃でチームを牽引し、2014年に現役を退いた。佐藤氏がユニフォームを脱いだ後も、前向きに挑戦を続けられるのは、現役時代に出会った素晴らしい言葉の数々があったからなのかもしれない。

 第3回【勉強よりも「ガッツポーズの練習から始めました」 元プロ野球「GG佐藤」が明かす“合格率15%”の難関資格を半年でクリアする必勝法】では、難関資格を取得する佐藤氏が、どのような方法で学習し、試験を突破してきたかなどについて語っている。

ライター・白鳥純一
 
取材協力 株式会社I for C

デイリー新潮編集部

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