22周年を迎えたオタク界の“夜の聖地”「マジカル☆ナイト」 異色のコスプレキャバクラ店長が“採用面接で女の子に必ず質問すること”とは

エンタメ

  • ブックマーク

個性豊かな女の子がつく

 実は筆者は、15年以上前に「マジカル☆ナイト」の存在を知り、友人に連れられて訪問したことがあった。しばらくご無沙汰していたが、店内の雰囲気がいい意味で昔と変わっていなくて、安心した。2000年代半ばのオタク文化全盛期の薫りが、店内に漂っている。その時代を過ごしたオタクである筆者はかなり安心感が得られた。

 さて、今回はフリータイムのコースを希望した。20分ごとに女の子が入れ替わるシステムで、こうした点は通常のキャバクラと変わらない。一方で、店内でアニソンが流れ、カラオケで「The・かぼちゃワイン」のオープニング曲「Lはラブリー」を歌い出す人も。なかなか通常のキャバクラでは歌いにくいアニソンを、ここでは堂々と歌うことができるのだ。

 60分間で3人の女の子が席についてくれたが、女の子の衣装は「魔法少女まどか☆マギカ」の制服のほか、1990年代後半~2000年代のオタクにはたまらないであろう美少女ゲーム全盛期の名作「Kanon」「Piaキャロットへようこそ!!」のコスプレであった。この時代をオタクとして過ごした筆者にとっては、衣装だけでもドキドキしてしまうものがあった。

 女の子が積極的にオタクトークを盛り上げてくれるのがとてもいい。筆者がバッグに「魔法少女まどか☆マギカ」の暁美ほむらのラバーストラップをつけていると、すかさず「ほむらちゃんですね!」と話しかけてくれるし、このアニメのなかでも衝撃的な3話や10話について気兼ねなく語り合うことができた。

 他にも、「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地巡礼のため、静岡県の沼津に行ったことがあるという女の子もいた。ちなみに、好きな“推し”は堕天使ヨハネこと津島善子であり、筆者と同じであった。女の子とそんな会話ができるキャバクラは、「マジカル☆ナイト」以外にそうそうないのではないか。

2000年代のオタク世界の扉を叩いてみよう

「マジカル☆ナイト」は明朗会計である。1時間で5700円(税・サービス料込み)、指名料は1500円(税・サービス料込み)である。なお、初回のお客さんは入店時に伝えれば、料金が半額になるという。さらに、開店から1時間までの間に入店すれば、フードが一品サービスされる。女の子のコスプレとオタクトークが楽しめてこの料金なら、なかなかのお得感がある。宮田さんが言う。

「当店はいたって平和なキャバクラですので(笑)、オタクトークがしたい新規のお客さんはもちろん、そこまで漫画やアニメに詳しくないという方も大歓迎です。一般的なキャバクラ同様に、フリータイムならいろいろな女の子がつきますので、気軽に会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。他のオタク向けのお店とは違った体験をしたいという人にも、おすすめです」

 今や、オタク文化がいわゆる一般層にも浸透し、至るところでアニメのグッズや看板を見ることができるようになった。そんな時代だからこそ、「マジカル☆ナイト」で古き良き時代のディープなオタク文化に浸ってみてはいかがだろうか。

取材・文=山内貴範

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。