寝坊で3軍降格の佐藤龍世はかわいい方? 集合時間に女性と「ベッドイン」、30回以上遅刻した“ツワモノ”も…不適切にもほどがある選手列伝

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 昨季は4番も打った西武の外野手・佐藤龍世が、開幕直前のオープン戦中に寝坊で札幌から移動の飛行機に乗り遅れ、3軍降格のペナルティを受けた。巨人の若手内野手・秋広優人も、一昨年オフの公式行事に2度遅刻し、昨春のキャンプでは、寝坊対策で目覚まし時計を3個持参したことが話題になった。実は過去にも、寝坊や遅刻で名を馳せた選手が何人かいる。【久保田龍雄/ライター】

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新幹線に乗り遅れてしまい、先発に間に合わず…

 巨人V9時代のエース・堀内恒夫もその一人である。

 1968年9月17日、前日後楽園で中日戦を終えた巨人は、2ゲーム差で追う2位・阪神と甲子園で天王山の4連戦を行うため、午前11時東京発の新幹線で大阪に移動した。

 ところが、この日先発予定だった堀内は寝坊して、目覚めたのは午前10時5分。慌てて飛び起き、東京駅に駆けつけたが、タッチの差で乗り遅れてしまう。

 仕方なく1時間後の新幹線「ひかり」に乗り込むと、間の悪いことに、名古屋に戻る中日ナインと一緒だった。主砲の江藤慎一に「巨人は、先発投手は別行動で移動できるのか? いいな」と羨ましがられた堀内は、言葉を濁してごまかすしかなかった。

 気まずい思いで大阪に到着すると、すでにこの日の先発は高橋一三に変更され、規律を重んじる川上哲治監督に「こういう大事なときに緊張感を欠いたことを十分反省しているね」と戒められた。

 この試合で、巨人は阪神の2年目左腕・江夏豊にNPB新記録となるシーズン354個目の三振を奪われ、延長12回の末、0対1で敗れた。

 堀内は翌18日のダブルヘッダー第1試合に先発したが、打線の援護なく0対0の9回に辻佳紀に2ランを浴びて、2試合連続の完封サヨナラ負け。4連戦に1勝3敗と負け越した巨人は、阪神とゲーム差なしになったが、それでも5厘差で首位だった。

「これだけ負けたというのに、まだ阪神の上にいるのか」(川上監督)と敗戦のショックを払拭したチームは、9月20日から13勝4敗と猛チャージをかけ、V4を達成した。

 もしV逸なら、堀内の寝坊事件がやり玉に挙がるところだったが、結果オーライで帳消しになったのは、ある意味、強運の持ち主と言えそうだ。

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