「自信がないのかな」 万博協会が「しんぶん赤旗」を“取材拒否”した理由 実は公明党の機関紙も同じ扱いをされていた
脈々とトラブルの続く大阪万博が4月13日、ついに開幕した。これほどの大イベント、報道機関なら腕が鳴るだろう。ところが、あの「しんぶん赤旗」が万博協会から“排除”の憂き目に遭っているというのだ。
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「なぜ今回だけ排除されるのか疑問」
〈万博協会「赤旗」を排除〉との見出しで、同紙が自らの苦境を報じたのは4月10日のこと。開幕に先立って行われたテストランを取材拒否されたことや、これまでも記者会見やイベントの取材を認められなかったことに触れ、協会の姿勢を〈異常です〉と断じた。
改めて、赤旗関西総局の担当者が振り返る。
「一昨年から協会に会見やイベントの案内を頂戴したいとお願いしていましたが、その都度〈検討させていただきます〉〈協議させていただきます〉という返答が繰り返されてきました」
そこで、ひと思案。
「昨年11月に〈公正・公平な取材機会の提供をお願いしたい〉と、石毛博行事務総長宛てに要請文書をお送りしました。これについても、回答がないまま今日に至っています」
初めて協会から〈検討中〉以外の返答があったのは、今月に入ってから。
「来場者を招いてのテストランが4日から、メディアデーが9日に催されましたが、それぞれ前日の夜10時過ぎに、協会から“貴社はご案内していないので取材できない”というメールが届きました」
事ここに至り、これまで協会から受けてきたすげない仕打ちについて、報じることにしたという。
「官公庁や自治体の会見にも出席は認められてきましたし、2005年の愛知万博でも取材はできました。どうして今回だけ排除されるのか非常に疑問です」
4000円の前売券を購入して入場
この一件を日本共産党が放っておくはずがない。
「11日、共産党の辰巳孝太郎代議士が衆院経済産業委員会で取り上げました。そこで武藤容治経産相は、協会が定めるガイドラインでは“特定の政治、思想、宗教等の活動目的に利用されるおそれがある事項”は禁止にあたると答弁し、続けてガイドライン改訂の必要はないとしました」(政治部デスク)
つまり、赤旗は報道機関ではなく政党機関紙としての扱いを受けているわけだ。
「赤旗の肩を持つつもりはないですが、これは公平性に難があると言わざるを得ないですね」
と話すのは、元共産党政策委員長の筆坂秀世氏。
「赤旗はかねてからメタンガスの検知も取り上げていましたし、万博については、いまだに開催中止を主張する反対派。たしかに共産党の機関紙ではありますが、自民党の裏金問題に光を当てるなど、メディアとして存在感を示している。巨額の税金が投入された万博は開かれたイベントであるはずで、特定のメディアの取材を拒否するのはなんとも情けないし、自信がないのかなと思います」
先の赤旗の担当者は、入場許可証がないために、4000円の前売券を購入して開幕日の取材を敢行した。
「関係者ゲートも使えないので、一般来場者と一緒に2時間ほど並んで入場しました。あいにくの雨で、大屋根リングの下も雨が吹き込むのでみんな傘を差していましたよ。“並ばない万博”を標榜していたはずですが、私はトイレにも小1時間並びました」
ちなみに、本誌(「週刊新潮」)が共産党の政敵・公明党の機関紙たる公明新聞に尋ねたところ、こちらも取材拒否されているという。