「別れさせた息子の元カノと結婚」 24億円ワイロで捕まった中国銀行会長の乱れっぷり 「仕事を口実に女性を呼びつけて、長時間部屋にこもっていた」
唐の皇帝玄宗は、息子の妻だった楊貴妃を気に入り、自らの伴侶とした。
そんな故事を思わせる“現代版玄宗”が中国を騒がせている。
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背が高く、英語ができる美女が好み
発端は2023年に発覚した贈収賄事件だった。
同年まで中国銀行会長と中国共産党委員会書記を務めていた劉連舸(63)なる男の収賄が発覚。さらに党中央規律検査委員会で道徳腐敗と家庭風紀の乱れを指弾され、党籍剥奪と公職追放の処分を受けた。そして先ごろ、この“家庭風紀の乱れ”が、“息子の交際相手を妻に娶る”という所業だったと報じられたのである。
中国ウォッチャーが語る。
「新華社など現地の複数の報道をまとめると、吉林財経大卒の劉は、高官の娘である最初の妻のおかげで、39歳で中国人民銀行国際局副局長に昇進するなど異例の出世を遂げました。ところが、女癖がひどかった。若くて背が高く、英語ができる美女が好みで、そういった女性を見つけては、仕事を口実に呼び寄せて、長時間部屋にこもっていたのだとか」
息子はうつ病に
出世するにつれ乱倫は度を深め、妻と離婚。再婚も再々婚も不首尾に終わった。
そこに息子が交際相手を連れてやって来た。
「息子が『彼女に良い仕事をあっせんして』と頼むと、劉は『彼女は家柄が悪い』と難癖をつけ、『仕事を紹介する見返りに彼女と別れろ』と迫ったそうです」(前出の中国ウォッチャー)
半年後、劉は彼女と結婚。高官夫人――なるほど、たしかに“良い仕事”に違いない。しかし、元カノを「お母さん」と呼ばなくてはならなくなった息子はショックで家出し、ほどなくうつ病を発症したという。
いやはや、かつての昼ドラもさっぱり風味に思えるほどのドロドロぶりではないか。
「世論誘導のために脚色された可能性も」
もっとも、元産経新聞北京特派員でジャーナリストの福島香織氏によると、
「本件は、王岐山前国家副主席に端を発する一連の金融粛清の一環。23年だけで108人もの金融官僚が失脚しました。大陸メディアは劉氏をとんでもない人物だと喧伝しています。たしかにそのようなことをやっていたのでしょう。ですが、停滞する経済に対する国民の不満をそらすべく、世論誘導のために脚色された可能性も否定できません」
なお、裁判では、劉の収賄総額が1億2100万元(約24億円)に上ると認定され、執行猶予付きの死刑が宣告された。