映画「スピード」の元ネタ「新幹線大爆破」が50年ぶりにリブート JR東日本が特別協力した理由とは
JRが協力
映画「新幹線大爆破」(樋口真嗣監督)が、4月23日から動画配信サービス・Netflix(ネトフリ)で配信される。
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1975年に日本で公開された同名映画(東映)を「原作」と位置づけ、樋口監督が再構築したノンストップサスペンスに仕上がっている。時速100kmを下回ると起爆する爆弾を仕掛けられた、東京行「はやぶさ60号」。その車内をメイン舞台に、草なぎ剛(50)演じる車掌・高市をはじめとする鉄道人たちが奮闘する姿を描く。
設定速度を下回ると仕掛けた爆薬が起動する――この設定は、日本でも大ヒットしたハリウッド映画「スピード」(94年)のモチーフにもなっており、今作は日・仏・米で話題となった映画をリブート(再起動)したものとなる。
設定としては基本的に原作をなぞっているが、大きく違うのが当時、新幹線を運行していた国鉄と現在のJR東日本の協力体制だ。
「原作では、国鉄に対して東映が実物の新幹線0系電車の撮影協力を交渉したところ、刺激的な映画のタイトルに難色を示し、タイトルの変更を求めました。しかし、東映がそれをのまずに国鉄は協力を拒否したのです。そのため、新幹線はミニチュアでの撮影がメインになってしまいました」(試写を観た映画業界関係者)
ところが今作では、JRが「特別協力」として名を連ねている。時代の流れではないが、当時の国鉄とは逆の発想で協力することになったのだという。
「原作の製作時は、何よりも“安全性”をウリにしていた国鉄ですが、ネトフリは世界配信です。訪日を予定している海外の人たちに新幹線の安全性、鉄道人たちがいかに“乗客ファースト”で働いているのかをアピールしたいという狙いもあったようです。原作では、新幹線シーンの撮れ高をカバーするため、犯人に対して身代金を受け渡すシーンや、国外逃亡を企む主人公の犯人を空港で追い詰めるラストシーンなど、ロケシーンを盛り込みました。しかし、今作は新幹線の車内と新幹線運行を司る指令所がメインで、リアルな新幹線の走行シーンが描かれます」(同)
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