ソフトバンク「上沢直之」はエスコンフィールドで罵声を浴びることになる? 古巣のファンから「裏切者!」と強烈なブーイングを浴びた選手たち
メジャー挑戦もたった1年で帰国し、古巣・日本ハムではなく、ソフトバンクへの移籍を選んだ上沢直之。4月1、2日のエスコンフィールドでの日本ハム戦では登板機会がなかったが、今後エスコンフィールドでの登板が実現した場合、古巣のファンからブーイングを浴びる事態も予想される。過去にも、しこりを残して移籍した選手が古巣の本拠地で、ブーイングの嵐にさらされた事例があった。【久保田龍雄/ライター】
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【写真リンク】スタメン発表で名前がコールされると「地鳴りのような大ブーイング」が起きた選手
地鳴りのような大ブーイング
まず記憶に新しいのが、昨季西武からソフトバンクにFA移籍した山川穂高である。
2023年シーズンで女性問題の不祥事を起こし、出場停止処分になった山川は、オフに故障者特別措置でFA権を取得すると、「残留して借りを返してほしい」と望むファンの思いを裏切る形でソフトバンクにFA移籍したことから、古巣のファンの多くを“敵”に回すことになった。
昨年4月12日、移籍後初めてベルーナドームで行われた古巣・西武戦、試合前のスタメン発表で、「4番指名打者・山川」のアナウンスが流れると、左翼席の西武応援団から地鳴りのような大ブーイングが起き、バックネット裏ではアナウンスがほとんど聞き取れないほどの喧騒状態になった。
さらに試合開始後、1回表2死二塁で山川がこの日最初の打席に入ると、左翼席から「帰れ、帰れ!」と再びブーイングの嵐。西武の先発・今井達也がストライクを取るたびに大歓声が起き、カウント2-2から山川が空振り三振に倒れると、「いいぞ、いいぞ、今井!」の大合唱。山川はこの日4打数1安打3三振と持てる力を発揮できずに終わった。
だが、翌13日、山川は前日の雪辱とばかりに6回と8回に2打席連続満塁本塁打を放ち、1人で8打点と大爆発。この日の西武ファンは、前日とは打って変わってブーイングを封印していたが、満塁弾を放った山川が自軍ベンチ前で“どすこいポーズ”を披露すると、挑発されたと思ったのか、一斉にブーイングが起きた。
そして、ソフトバンクが11対2と大勝した試合後、ヒーローインタビューには、8回無失点で先発初勝利を挙げたモイネロが単独で登場し、山川が出てこなかったことから、スタンドからどよめきが起きた。ファン感情に配慮した山川が辞退したとみられる。
その後、山川は8月15日の西武戦でも3本塁打6打点を記録して勝利の立役者になったが、この日もヒーローインタビューに呼ばれたのは、2番手で登板し、プロ初勝利を挙げたルーキーの大山凌で、前回同様、山川は姿を見せずじまいだった。
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