最軽量48キロ級「角田夏実」が“体重無差別”の皇后盃に挑む理由 「寝技に持ち込めば体重差は関係ない」
ロマンを求めて
パリ五輪柔道48キロ級金メダリストの角田夏実(32)は、いま最も人気のある女性アスリートの一人だろう。
インスタグラムにオフショットを投稿すればコメントが殺到。開幕した大阪・関西万博に足を運んだこともネットニュースになった。
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そんな角田が4月20日、全日本選手権に出場する。
男子は天皇杯、女子は皇后盃を頂くこの大会は、真の柔道日本一を決める体重無差別の選手権である。当然ながら歴代勝者は重量級の猛者ばかり。角田は最軽量級だが、スポーツ紙記者いわく、
「“柔よく剛を制す”は柔道の真骨頂。ロマンを求めて挑戦する軽・中量級選手も少なくありません」
1990年の天皇杯。出場最軽量の古賀稔彦は重量選手を次々と撃破し、決勝に進出。当時最重量級世界王者の小川直也にこそ敗れたものの、その健闘ぶりは語り草となっている。
実は、角田が皇后盃に挑むのは3度目だ。2020年は57キロ級選手に初戦敗退するも、体重105キロの78キロ超級選手と初戦で対戦した21年は、果敢にともえ投げを試みて相手が指導三つを取られて勝利した。
「相手は普段組むことがない体格に戸惑っていました。一方、角田は『軽量級でも戦えるんだぞ、というのを皆さんに伝えたい』と、体重差に発奮。6月の世界選手権を辞退してまで、この皇后盃に注力しています」
「言うほど体重差はない」
パリ五輪団体戦では、2階級上の57キロ級銅メダリストにともえ投げで一本勝ちした。
ただ、軽量級選手にはけがのリスクが伴う。
「五輪翌年に挑戦するのも、万が一の事態を恐れてです」
今回はどんな相手が待ち受けているのか。
「1回戦からいきなり78キロ超級の選手ですが、経験の浅い高校生なので、勝機はあります」
勝てば2回戦は70キロ級選手。3回戦は同級グランドスラム(GS)優勝経験者と当たる可能性があるが、
「減量の必要がないので、元々52キロ級だった角田は57キロくらいになっているはずで、言うほど体重差はない。身長も高いですしね」
朗報もある。4回戦で対戦する可能性があった昨年GS東京大会78キロ級金メダリストの池田紅が欠場。他にも、今年のGSバクー大会78キロ超級金メダリストの高橋瑠璃や、昨年の皇后盃覇者の瀬川麻優らの欠場が発表された。
「角田にはともえ投げの他に寝技もある。寝技に持ち込めば体重差は関係ない」
舞台は横浜武道館。NHK総合でも放送される。