相手はみんな詐欺師と思ってやりとりすべき…今度は“グミ騒動”で物議 なぜ「メルカリ」ばかりトラブルが続出するのか

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最近は“返品すり替え”が大流行

 今回話題になったのは“グミ騒動”だが、一昨年から昨年にかけては、メルカリで“返品すり替え”という手口が波紋を呼んだ。

「メルカリは出品した商品が売れた場合、まず購入者が手元に届いた商品を確認し、出品者への“評価”をします。そののちに、今度は出品者が購入者に評価を返すことで取引完了となり、出品者のアカウントに売上金が反映されます。この仕組みは、商品ページの説明と届いた商品が違うなど、悪質な出品者から購入者を守るのには有効なのですが、それを逆手に取ったのが“すり替え”の手法です」(奥窪氏)

 あわやその被害にあいかけたAさんに話を聞いた。熱心なアップルユーザーであるAさんは、新型iPhoneが発売されるたび、最新機種に買い替えることを“年に1度のお楽しみ”にしている。そこで重宝していたのがメルカリ。1世代前のiPhoneであれば、けっこういい値で売れるため、保護カバーやケースなどを駆使してなるべく丁寧に使い、新機種を手に入れると前の機種を売りに出す、ということを繰り返していた。だが……。

「2023年にiPhone15が出た時の話です。それまで使っていたiPhone14Proのシルバーをメルカリで出品したところ、すぐに買い手がつきました。早速発送すると、購入者から“色がシルバーじゃなくホワイトだから返品したい”とメッセージが届きました。この世代はホワイトという色は存在せず、白系の色はシルバーだけでしたから、“何を言ってるんだこの人は”と思い説明をしたのですが、まったく話が噛み合わない。仕方なくメルカリ運営に相談したところ、“購入者の言う通り返品としてください”と言われました。まったく納得できませんでしたが、運営の決定が覆るとは思えなかったので、仕方なく返品に応じることに」(Aさん)

 しかし、返品されてきたのはなんと、更にひと世代まえのiPhone13だったというのだ。

「たまたま“返品受け取り”のボタンを押す前に気付けたから良かったものの、気付かないまま返品処理を完了させていたら、危うくiPhone14をだまし取られるところでした。その後のやり取りでもかなり時間を奪われましたし、なにより疲れてしまいまして……。もうメルカリを使うのはやめてしまいました」(同)

 上記はiPhoneのケースだが、当時はプラモデルやブランドバッグなどでも返品すり替えの事例が続出した。

「従来、メルカリの悪用は出品者の立場を使ったものがメインだったのですが、出品者よりも保護が手厚い購入者側の立場を使ったスキームは、言葉を選ばなければ“画期的”でした」(奥窪氏)

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