新天地・巨人で開幕3連勝、古巣は3連敗…甲斐拓也はそこまで凄いのか? 打率急上昇の理由
日本を代表する捕手で、昨季オフにソフトバンクから巨人へFA移籍した甲斐拓也。移籍初年度の今季は、巨人の開幕3連勝に貢献したのをはじめ、14日現在14試合全てにスタメン出場。対照的に甲斐を失ったソフトバンクは、2位に13.5ゲームの大差をつけ、独走Vを果たした昨季とは様相が一変。まさかの開幕3連敗スタートとなった。32歳のベテラン捕手の存在価値は、それほどまでに高いのか。
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打撃に定評のある大城、岸田、ベテラン小林を押しのけ連日スタメン
巨人の捕手は昨季まで、打撃に定評のある大城卓三、岸田行倫、35歳のベテランで鉄砲肩の小林誠司らが出場機会を分け合っていた。が、今年は甲斐の独壇場となっている。
「自身も捕手出身の阿部慎之助監督は、既存の捕手のリードに飽き足らないところがあったのでしょう。侍ジャパンでも主戦捕手を務めてきた甲斐の獲得に舵を切りました。プロ入りから14年間をソフトバンクで過ごした甲斐は、巨人というチームの雰囲気、特性を在籍経験者に聞くなど、迷いもあったようですが、最終的に巨人を選んだ要因として阿部監督の存在を挙げています」(スポーツ紙デスク)
もともと“甲斐キャノン”の異名を取った強肩、ワンバウンドの投球を後ろに逸らさないブロッキングの技術、豊富な経験に裏打ちされたリードで、球界随一の捕手と評価されている。それだけに今季開幕直後、評価の低かった打撃でピカイチの存在感を示したのは意外だった。
昨季も「甲斐にしては合格点以上」の打率.256、成長のあとは見えていた
甲斐と言えば、2022年の打率.180、翌2023年の同.202に象徴されるように、2割そこそこのシーズンがほとんど。ところがリーグも変わった今季、別人のように打棒を振るっている。3月28日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)では3点ビハインドの9回、先頭打者としてセンター前ヒットを放って同点に追いつく口火となり、延長10回にも再び先頭でセンター前ヒットして、若林楽人外野手のサヨナラ打につなげた。これで勢いに乗ったのか、14日現在の甲斐の打率はなんと、セ・リーグ3位の.352。8日のDeNA戦(横浜スタジアム)では、6番を任された。
「実は昨季も.256という、甲斐にしては合格点以上の打率をマークしていました。これまで打撃にはそれほど工夫をこらしているように見えませんでしたが、今季は追い込まれてからライト方向を狙うなど明確な意図が感じられます。移籍初年度で気合も入っているのでしょうが、打撃面で着実に進歩が見られます」(現役時代に捕手として活躍した球界OB)
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