本拠地で3タテ食らった巨人…エース戸郷が「投球の基本を忘れている」と思うワケ【柴田勲のコラム】
エースの戸郷で落とした初戦
名古屋に乗り込んで中日3連戦を2勝1敗と勝ち越し、東京ドームでの阪神3連戦に臨んだ巨人だったが3連敗を喫した。
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シーズン最初の本拠地での阪神3連敗は2004年以来、21年ぶりだという。
まさかだった。何度も言っているが一つは勝たなきゃいけない。取り戻すためには2勝1敗を3回続けなければならない。
初戦をエースの戸郷翔征で落としたのが痛かった。3回を7安打3失点で降板した。中野拓夢には二盗を2度決められた。開幕戦では5回を4安打4失点だった。4回までは走者を一人も許さない完全投球だったものの、5回に突如として崩れた。
阿部慎之助監督は阪神戦後、「たぶん癖を全部分かっていたから。あれじゃあ打撃投手」と話していた。投球時の癖を盗まれたと言いたかったのか。
そんなのは大きな問題ではない。戸郷は投球の基本を忘れている。
オヤッという顔をする前に
戸郷は打者に対するとハナからスライダー、フォークなどの変化球を投げていた。カウントを取るフォークは落差が小さい。つまり威力がない。甘くなったところを狙われた。
得意のフォークを生かすためにはまずは真っすぐだ。それも右、左の打者に関係なく嫌がる外角低めにズバッと決めて追い込んでいく。追い込まれてからのフォークは効く。打者は分かっていても振ってしまう。
対照的に阪神の先発・村上頌樹は球が速く、高めの真っすぐが伸びていた。巨人の打者たちはフォークを振らされていた。打たされていた。
戸郷はちょっと打たれると首をかしげ、オヤッという顔をする。そんな顔をする前にまずは“投球の基本とはなにか”を考えるべきだ。
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