作家・関かおるが「まじかよ!」と度肝を抜かれたアメリカでの高校時代の思い出 「教師の犬が亡くなると、2代目が現れ…」
突如現れた「2代目サンディ」
おどろいたのは、その数週間後のこと。サンディが再び学校にやってきた。ゴールデンレトリバーの、おとなしい女の子。
2代目サンディである。
まじかよ! と思った。ソフトバンクのCMに出ていた白い北海道犬が頭に浮かんだ。ペットがすげ替え可能な存在だったことに衝撃を受けた。ミスター・ブラウンにとっても、たぶん私たちにとっても。
2代目が教室にいれば、生徒たちは群がるし、私はかわらずなにかをゆるされたような気持ちになった。2匹のサンディの差を見つけようともしないまま卒業した。サンディたちは同じ役割を与えられ、それを果たしていた。
最初のサンディにはもう会えない。もしかなうなら、2匹の毛並みを、瞳のかたちを、ほえる声を、比べてみたかった。それから、ごめんねって、理由はよく分からないけど抱きしめてみたかった。
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