日本代表「W杯」一番乗り! 識者が語る「最終予選MVP」は全7試合出場の“守備の要” 陰の功労者は泥臭いプレーも厭わない“天才”

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最終予選のMVPは板倉洸

 さらに久保は左CKを伊東純也と短くパス交換すると、左サイド深くまでドリブルで侵入し、誰もがクロスと思ったところ、左足のシュートでGKのニアサイドを破る追加点を決めて勝利を決定づけた。

 得点後は「ゴールシーンは頭の中が真っ白になった」と久保。このシーンだけでなく、足元に吸い付くようなトラップからの、緩急の変化に富んだドリブル突破や意外性のあるプレーで観客を沸かせただけに、この試合のMVPに選ばれたのは当然と言える。

 彼ら2人だけでなく、伊東ですらベンチスタートからもわかるように2列目の選手の充実ぶりは日本のストロングポイントであり、歴代最強と称されるのも頷ける。

 そしてまだ気が早いかもしれないが、最終予選の「MVP」と「陰の功労者」の選出を編集部から依頼された。対戦相手に恵まれ、ほぼ完璧な試合運びで、なおかつ試合ごとに殊勲者が変わるだけに難しい選択でもある。それでもあえて選ぶとしたら、MVPにはDFとして最終予選の全試合に出場した板倉滉(他にはGK鈴木彩艶とMF南野拓実)を選出したい。

陰の功労者は堂安律

 最終予選がスタートした頃は谷口彰悟が3BKのセンターを務め、板倉は右CBだった。しかし谷口が負傷離脱してからはセンターにポジションを移しても、統率力を発揮してDF陣をコントロール。伊藤洋輝の負傷離脱により左CBは町田浩樹が、そして右CBは橋岡大樹や瀬古歩夢らが務めたが、板倉は誰と組んでも安定感のあるDF陣を構築し、リーダーシップを発揮した。

 初戦の中国戦こそ71分に高井幸大と交代したが、その後の6試合は90分間フル出場して日本の守備陣を支えたことでMVPに選出した。

「陰の功労者」には、森保監督を推す声もあるかもしれないが、これだけの戦力があるだけに今回は遠慮していただいた。守田英正も交代出場したアウェーのバーレーン戦では2ゴールを奪うなど、本来の守備力にプラスして攻撃でも貢献しただけに、陰の功労者にはふさわしいかもしれない。しかし今回は堂安律を推したい。

 日本代表の背番号「10」を背負うことは“代表の顔”とも言える。過去には名波浩、中村俊輔、香川真司、南野らテクニシャンかつ試合のコントロールタワーが担ってきた。そんな彼らに比べ、堂安は最終予選で90分間フル出場したことはない。スタメンながら途中交代が多かった。

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