「トランプ詣で」が続くゴルフ界で…リブゴルフからPGAへの「出戻り出場」が増えそうな理由
抽象的で曖昧な返答ばかり
2度にわたった「トランプ会合」で何が話し合われ、何が決まったのか? そう問われても、モナハン会長の返答は、終始、こんな具合だ。
「とても生産的な会合だった」
「とても建設的なミーティングだった」
「トランプ大統領はゴルフへの造詣が深く、PGAツアーをよく理解してくれている」
そして、「ワンツアーの傘の下での再統合こそが、目指すべきゴールであることを確認し合った」とモナハン会長は語ったのだが、なんとも抽象的で曖昧なこのフレーズだけでは、トップ会談に臨んだ面々が具体的に何をどう考え、どう変えようとしているのかは、まるでわからない。
3月上旬のアーノルド・パーマー招待の開幕前にも、米メディアがモナハン会長にあの手この手で質問を投げかけたが、会長の返答は相変わらず、こんな具合だった。
「言うべきことを言うという私の姿勢は変わらない」
モナハン会長の複雑な心境
この言葉は「言うべきではないことは決して言わない」というモナハン会長の強い意志表示だと思われる。ここまで明確に「言わない」態度を示されると、もしかしたらトランプ大統領からゴーサインが出るまでは、具体的な内容を絶対に「明かさない」「言わない」ことが、ディールの一部なのではないかと思えてくる。
モナハン会長が信頼できる人物なのか、忠誠心を抱いているのかどうかをトランプ大統領から試されているのかもしれないとも思う。
それでも、米メディアから「交渉は進んでいるのか?」と問われれば、「とてもポジティブだ」などと何かしらは答え、取材を拒否したり、ノーコメントで終わらせたりという態度を取らないところは、さすがPGAツアーのトップを務める会長だけのことはある。
だが、米誌「スポーツイラストレイテッド」によると、モナハン会長は「リブゴルフの選手たちと一度でも直接の対話をもったことはあるか?」という質問に対してだけは、何も返答しなかったとのこと。
そんなモナハン会長のリアクションには、彼の高度な知性や理性を持ってしても、どうしても抑えきれない感情的なものが感じられてならない。
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