石破首相は「“行きたくない”と感じているようだった」日米首脳会談 「及第点」を取れた理由とは
「トランプに関するノウハウが使えた」
実際の会談の冒頭、石破氏は安倍昭恵さんを通じて自身に贈られたフォトブックに「PEACE(平和)」と書かれていたことに「感銘を受けた」と切り出した。さらにフォトブックの表紙に使われている24年7月の「トランプ大統領暗殺未遂事件」の時の写真を称賛し、
「あの時、大統領閣下は『自分は神様から選ばれたのだ。必ず大統領選に当選する』と確信されたに違いない」
そう述べたという。
「こうした発言も全て事前に入念に準備されたものでした」(前出の外務省関係者)
笹川平和財団安全保障研究グループ上席フェローの渡部恒雄氏が言う。
「安倍政権時代に日本の官僚たちはトランプさんの扱い方を研究し、そのノウハウが役所に蓄積しており、それが今回使えたというのは大きかったと思います。さらに、そうした官僚のアドバイスを石破さんが素直に聞き入れたのも良かったのでしょう」
「あそこからすべてが始まった」
“ヒゲの隊長”こと自民党の佐藤正久参議院議員は、
「安倍元首相のレガシーは、何よりも昨年12月の昭恵夫人とトランプ夫妻の夕食会でしょう。あそこから全てが始まった。あの時昭恵夫人がトランプさんから受け取ったフォトブックが、会談冒頭の会話につながったのですから」
と話す。
後編【「北朝鮮に対する戦術はシンゾーに聞こう」 なぜ安倍元首相はトランプ大統領に深く食い込むことができたのか】では、石破首相にとっては“天敵”である安倍元首相が残した「遺産」について詳報する。
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