フジテレビだけじゃない 大手企業にも残っていたアナログ「接待」文化 「CAが制服に着替え、“セクシーアナウンス”で盛り上げていた」

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 タレントの中居正広と女性とのトラブルが大きな広がりを見せている。中居と女性との関係の発端に、幹部社員が関与していたとの報道があり、フジテレビにはスポンサー企業や株主はもちろん、世間からも厳しい眼差しが向けられている。目下、焦点となっているのは、フジテレビが、クライアントやタレントを接待するために、社員を含む女性を同席させてきたのではないか、という点だ。この真偽については弁護士ら第三者委員会による解明が待たれるが、こうした女性同伴の接待が、程度の差こそあれ、フジテレビに留まらず、日本の大手企業でもこれまで行われてきたことは否定できない事実であろう。学生の就職ランキング上位に入る人気企業でのケースを取材した。

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体育会採用「大手広告代理店マンのデビュー」

 体育会所属の学生を率先して採用し、そこで培われてきたネットワークを強みとして利用してきた業界といえば大手広告代理店が浮かぶ。

 ある新人営業マンが証言するには、先輩社員から「クライアント接待だから女性を集めるように」と命じられ、首尾よく“用意”に成功し、場が盛り上がると重宝されるようになり、出世の道が開けることもあるという。

 別の広告会社の中堅社員は「いまはもう無い」と明記することを条件に話した。

「まだ担当クライアントの雑用係に過ぎない新人の時期に、クライアントの幹部に顔を売れる接待の場に行けることは夢のような話だ。女性の手配を先輩から命じられると、これまでのネットワークを総動員して必死に友人や後輩に頼み込み、“準備”した。女性たちには事前にクライアントの商品を渡して使ってもらう。当日、クライアントから名刺を渡された瞬間に、女性が“この商品大好きで……”という会話になれば、まず序盤戦は盛り上がるので」

 酒が進むと、危うい場面になりそうなこともあったという。

「やはりお触りをしたくなる人やセクハラ的な発言をする人もいるので、話題をうまくそらすなど、トラブルにならないように注意していた」

 たちが悪いクライアントは、女性に「2人で飲み直そう」と声を掛けたりすることもあったという。

「宴が開けた後、“帰る方向が一緒だから”と、クライアントが女性と一緒に無理矢理タクシーに乗り込んだケースがあった。女性の家があったのは八王子だが、一緒に降りることを強く拒まれたため、仕方なくクライアントはそのまま自宅のある千葉へと帰った。その移動に、渡したタクシーチケットがそのまま使われたため、のちに高額な請求を見て予算管理に呼ばれ、調べられたことから発覚した最悪のケースだった。始末書を書いた上で、1年間タクシーチケットの使用を禁止された」。

航空会社もCAブランドを活用して接待

 上記のケースは、社外の女性を接待に協力させたケースだが、フジが渦中にあるのと同様、自社の社員を同伴させるケースも少なくない。

 航空会社の元幹部は、

「官僚などの接待の為にCA社員を稼働することもあった」

 と話す。

「CA人気は根強く、関係先がすごく喜ぶ。真面目なお堅い関係先だからトラブルになったことは無かった。彼女たちは機内での経験から、男性のあしらいも慣れていることもあるだろう」

 しかし別の航空関係者によると、現場営業の接待では、飲食店のトイレなどで制服姿に着替えて個室に登場し、盛り上げることがあったという。

「かつて六本木にあり、芸能人も多用した個室のジャグジー付き高級カラオケ店で、“セクシーアナウンス”がリアル制服姿と共に披露されたこともある」

 セクシーアナウンスとは、セクシーな腰の動きをしながら、機内アナウンスを色っぽいトークで実演する宴会盛り上げ芸。流石にこれは社内で問題になり、制服の品位を汚すとして不適切な利用をしないように管理や教育が強化徹底されたそうだ。男性から人気のある職種の女性を利用した接待は業種を超えて存在しているようだ。

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