新庄監督(52)建山コーチのロッテ移籍に「大歓迎ですよ」のウラ事情 “名将”と手法逆行で「独裁」の危惧

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「円満退団」強調で不仲説払拭?

 問わず語りに切り出した。プロ野球日本ハムの新庄剛志監督(52)が今季まで2年間ともに戦った建山義紀投手コーチ(48)のロッテ移籍に、異例の言及だった。

「建山コーチがロッテに行くじゃないですか。大歓迎なんですよ」

 1シーズン以上空けずに移籍するコーチが珍しくなくなった近年でも、同じリーグのライバル球団への移籍となると目立つ。しかも、要職の投手コーチとなると、なおさらだ。投手の癖や監督の戦術観など機密が漏洩するだけに、新庄監督の「そういう(他球団から必要とされる)コーチの育て方をやりたいと思っていた。実は(ロッテの)吉井(理人)監督も『建山コーチはいいコーチだね』という話もしていた」などの言葉は実に寛容で、球界を大局観で捉えているような印象を与えたのだが……。

 さる優勝経験がある元NPB球団監督は「監督が出て行ったコーチのことに触れるケースはほとんど聞きません。何か意図があるんでしょう」とした上で「建山コーチとの関係がギクシャクしていたことを、円満退団を強調することで払拭したい気持ちもあるのでしょうね」と看破した。

 新庄監督は就任2年目の昨季、日本ハムOBである建山コーチに投手部門を託した。就任当初、野手出身とあって「投手のことはよく分からない」と語り、キャンプ地を訪れた投手出身の評論家を質問攻めにするなどした。1年目は自ら切り盛りしていた継投も建山コーチに託したのだった。

 野手出身でもある同元監督の指摘はこうだ。

「捕手以外の野手出身の監督が投手コーチに一任することは珍しいことではない。常識にとらわれない新庄監督といえども球界の前例に従ったのだとみていたのですが……。今季は1年目のように新庄監督が継投を主導して建山コーチとは投手交代のタイミングなどで意見の食い違いがあったと聞きます」

 新庄監督は交流戦中の6月12日に武田久投手コーチ(46)をベンチに置く代わりに、建山コーチをブルペン担当に配置転換した。

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