「何回当てとんじゃ!」と監督が激怒 2024年プロ野球は“乱闘寸前”の死球トラブルが多発

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解説・清原和博は「懐かしい雰囲気だな」

 そして、翌13日も、ヤクルト対中日で「警告試合」がトレンド入りする騒ぎが起きる。

 9回裏、2点を追うヤクルトの先頭打者・岩田幸宏がマルティネスから左手首付近に死球を受けたことが発端だった。中日ベンチから大西崇之コーチ、ヤクルトベンチから森岡良介、嶋基宏両コーチが飛び出し、口論になった。高津臣吾監督も「何回当てとんじゃ!」と激怒して、片岡篤史コーチと激しく言い争った。

 ヤクルトは7月31日の同一カードで、赤羽由紘が松木平優太から左手に死球を受け、骨折で離脱。この日も8回に山田哲人が藤嶋健人から死球を受けたばかりとあって、怒るのも無理はなかった。最後は、立浪和義監督が間に入って謝罪し、ようやくことが収まったが、審判団から警告試合が宣告された。

 この日は、現役時代に死球をめぐり、グラウンドで何度も大立ち回りを演じた清原和博氏がCSのフジテレビONEで解説を務めていたが、両軍入り乱れての騒動に「懐かしい雰囲気だなと思って。やっぱり野球はこうじゃないとね」と発言。同じく解説の谷繁元信氏が「それだけやっぱり真剣にやってるってことだと思うんですよ。熱くなるってことは」とフォローするひと幕もあった。

温厚な広島・新井貴浩監督が相手ベンチめがけて突進!

 普段は温厚な広島・新井貴浩監督が思わずブチ切れてしまったのが、9月15日のDeNA戦である。

 10対2とリードの7回、先頭の秋山翔吾が伊勢大夢から右膝付近に死球を受けたあと、新井監督が相手ベンチを指差しながらグラウンドに飛び出し、鬼の形相で「出てこい!」と叫んだ。

 呼応するようにDeNAベンチからも三浦監督らが飛び出してくる。新井監督も数人の選手たちの制止を振り切るようにしてバックネット付近まで突進し、直接関係がないのに手招きするようなポーズで挑発してきたDeNAの助っ人、ウイックと激しく言い争った。両軍ナインは審判とともに二人を止めに入り、間もなく騒ぎは収まった。

 5回に広島の先発・常広羽也斗が山本祐大に死球を与え、負傷交代させたことが伏線となり、秋山への死球で一気に爆発した形だ。また、このカードは冒頭で紹介した開幕2戦目の2つの死球に加え、8月1日にも宮崎が死球を受け、あわや乱闘の騒ぎになるなど、遺恨試合のような様相を帯びていた。

 警告試合が発せられて試合再開。ドラ1ルーキー・常広がプロ初勝利を挙げ、連敗を「6」で止めた新井監督は「まあまあまあ。お互いに真剣勝負をやっているので、それも野球の一部だと思います」と穏やかな表情に戻っていた。

 ちなみに2024年の“死球王”は、セ・リーグは阪神・森下翔太の12、パ・リーグは楽天・鈴木大地の13。くれぐれもケガにはご用心を!

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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