「心中を図ろうとした父が包丁を持って馬乗りに…」 過酷な少年時代が芸の源「桂雀々さん」の上方落語

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 上方落語の実力者、桂雀々(本名・松本貢一)さんの高座は熱気にあふれていた。声を振り絞り、表情動作も豊かだ。汗だくになり、お客を爆笑の渦に巻き込む。

 落語評論家の広瀬和生さんは言う。

「上方落語は東京より笑いにこだわります。雀々さんはパワフルでも、どうだという押しの強さやとんがった部分がありません。芸に妙な癖がなくてスマートなのが魅力でした。理屈抜きで面白いから聴いてほしい、楽しんでほしい、という誠実な思いが伝わってきた」...

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