「映画現場の生き字引」白鳥あかねさん スクリプターの役割を超えて遺したもの【追悼】
“裏方”として50年
映画スクリプターが注目される機会は少ない。しかし、その仕事は多岐にわたり、撮影現場の記録は特に重要だ。監督のそばに陣取り、カットの撮影時間、出演者やカメラの向きや動き、現場で変更されたセリフ、衣装や小道具など現場のあらゆる情報を記録していく。
目配りが必要なこの裏方を約50年も担ってきたのが、白鳥あかねさんである。
映画評論家の白井佳夫さんは言う。
「映画は台本の順番通りに撮るわけではなく、多くのカットをバラバラに撮影する。...