裏金問題で萩生田光一議員だけ“大甘処分”に旧安倍派から批判殺到 派内で囁かれている「森と岸田」の身勝手な思惑

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比例復活の問題

「旧安倍派内でも、今回の処分は軽すぎる、おかしいという声が出ています。萩生田さんは2003年に初めて立候補して以来、6回の当選回数を誇ります。ところが、民主党政権が誕生した2009年の総選挙では比例復活もできず落選しました。これに懲り、萩生田さんは旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係を深めるなど、なりふり構わず“基礎票”作りに励んだのです」

 自民党の処分を重さの順に並べると、【1】除名、【2】離党勧告、【3】党員資格停止、【4】選挙での非公認──となるが、この4つは選挙の際に党の公認が得られない。無所属で立候補することになる。

「自民党の公認候補でなければ、連立を組む公明党における最大の支持母体である創価学会の信者も表立って応援ができません。さらに最も重要なのが、比例区の重複立候補が不可能になるということです。小選挙区制で落選してしまうと、どれだけ接戦で惜敗率が高くとも、敗者復活は叶いません」(同・議員)

 自公の公的支援が受けられないため、基礎票が減ってしまう。しかも小選挙区で落選すれば一巻の終わりという“背水の陣”で選挙を戦う必要があるというわけだ。

岸田首相の大罪

「選挙に強いことで有名な世耕弘成さんなら、公認を得られなくとも勝てるかもしれません。ところが、萩生田さんは選挙に強いタイプではないのです。つまり萩生田さんの処分は『処分したように見えても、実は次の選挙でも勝てる可能性を残した』という、少なくとも自民党にとっては絶妙なバランスの上に立ったものなのです」(同・議員)

 こんな“えこひいき”が、なぜまかり通ったのか。

「旧安倍派議員は、『森喜朗さんが萩生田さんを守るため、岸田さんに処分を軽くするよう頼んだ』と理解しています。森さんは今でも、萩生田さんが中心になって旧安倍派のメンバーをまとめてくれると期待しているのです。しかし、旧安倍派の議員は『勝手に決めないでほしい』、『森さんに特別扱いされた結果、有権者の信頼を失ってしまった。萩生田だけは許せない』などと反発する声が出ています」(同・議員)

 一方、岸田首相も萩生田氏の軽い処分には積極的だったという。

「岸田さんは裏金事件の抜本的な再発防止ではなく、政権維持を最優先にしているのでしょう。あまり報じられてはいませんが、岸田さんと萩生田さんは非常に関係がいい。岸田さんとすれば、自民党総裁の再選を目指すにあたって、萩生田さんに旧安倍派議員をまとめてもらいたいと考えているようです。ここで萩生田さんに恩を売っておくことは決して悪くないということです」(同・議員)

デイリー新潮編集部

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