長嶋茂雄が人知れず財団法人を設立していた理由とは 関係者が語った現在の病状

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元番記者も…

 財団の名称はそのものずばり、「長嶋茂雄一般財団法人」という。

 登記簿を見ると、所在地は大田区田園調布の自宅、設立の目的は「野球を主体に広くスポーツ全般への競技の普及、振興」うんぬんとあり、そのために、競技力向上や、健康増進を図ることなどを目的とした事業を行うと記されている。

 代表理事はミスターご本人で、他に理事3人、評議員3人が名を連ねているが、その中にK氏という人物がいる。

 前出・吉見氏によれば、

「元報知新聞の長嶋番で、最も信頼されている人物です。退職後も、長嶋さん周りの仕事をしてきた」

 というから、ミスターにとって重要な財団であることが分かるのだ。

 登記簿通りならミスターの名を冠した野球イベントなどを開催すると推測されるが、現在のところ、そうした事業を行った形跡はない。

一茂氏が父の記念品を勝手に売却したことも

 なぜ財団が設立されたのか。K氏に尋ねると、

「(長嶋氏の個人事務所である)オフィスエヌに聞いてください」

 と言うのみ。

「財団法人とは、資金や物の活用を目的とした法人です」

 とは税理士の浦野広明氏である。

「長嶋さんは、金銭はもちろんトロフィーなど価値あるものをたくさん保有している。それを財団に拠出することで、自身の財産を有効に管理、活用し、将来にわたって散逸を防ぐという目的もあるのでは」(同)

 実際、過去には長男の一茂氏が父の記念品を勝手に売却したなんて苦い出来事もある。

 オフィスエヌにも設立の趣旨を聞いてみたが、回答はなかった。

 浦野氏は、財団の設立にはまた別のメリットもあると言う。

「こちらに拠出や遺贈をすれば、その分、結果として相続の対象となる財産が減り、相続税対策にもなり得ます」

 この2月には米寿を迎えたミスター。「終活」も抜かりなしといったところか。

週刊新潮 2024年4月11日号掲載

ワイド特集「サクラやっとサク」より

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