JUJU、中山美穂、工藤静香……華原朋美が「本当に大変でした」というカバーとは 「いつかヴィジュアル系覆面バンド」という野望

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記録と記憶で読み解く 未来へつなぐ平成・昭和ポップス 華原朋美(2)

 この連載では、昭和から平成初期にかけて、たくさんの名曲を生み出したアーティストにインタビューを敢行。令和の今、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービス(サブスク)で注目されている人気曲をランキング化し、各曲にまつわるエピソードを深掘りすることで、より幅広いリスナーにアーティストの魅力を伝えていく。

 今回は、華原朋美へのインタビュー第2弾。前回の記事で、TOP3に自身のミリオンセラーのニュー・バージョンがランクインし、4位以下にもカバー曲がズラリと入るなど、ボーカリストとして支持を得ていることがわかった。引き続き、好評のカバー曲について尋ねていこう。

(インタビュー第1弾→「華原朋美が語る『I BELIEVE』と『I’m proud』 『昔の動画を見ると、変わらなきゃという気持ちに…』」)

JUJUの人気曲カバーに反響大、次回の全国ツアーで「絶対に歌いたい」楽曲とは?

 まずは、Spotify再生回数ランキング第5位の「やさしさで溢れるように」。2009年にJUJUが発表したヒット曲のカバーで、カラオケでも定番となっているバラードだ。華原バージョンは力強くも優美で、JUJUとはまた異なった、華原ならではの聴き応えがある。

「そんなふうに言っていただけて本当に光栄です! これは『FNS歌謡祭』でJUJUさんと歌わせていただいた際に反響が大きかったのでカバーアルバムに収録し、コンサートなど、その後のお仕事でも何度か歌わせていただいています。JUJUさんは本当に独特な歌声をお持ちで、大好きな歌手のひとりです。この楽曲も、歌詞とメロディーがマッチしている名作ですよね。実は、『FNS歌謡祭』での彼女との共演がきっかけで、(JUJUさんへの楽曲提供も多い高木洋一郎さんと、『Dear Friend』(Spotify第39位)という曲を共作させていただいたんです。今では私のコンサートでこの歌を歌うと、泣いてくれるファンの方もたくさんいらっしゃるんですよ」

 ちなみに、本作を収録したアルバム『MEMORIES』と『MEMORIES 2』はともにオリコンの週間アルバムTOP10入り(1作目が10位、2作目が9位)となり、華原も大いに嬉しかったと語っている。

 続いて第7位と第8位は、復帰1年目に発表した「アメイジング・グレイス」と「夢やぶれて」が並んだ。前者はサラ・ブライトマンや本田美奈子.、後者はスーザン・ボイルや岩崎宏美など、錚々たる実力派の歌唱が聴かれ慣れている。それでも上位入りするのは、華原がボーカリストとして評価されている証でもあるだろう。

「『アメイジング・グレイス』に関しては、むしろこの’20年代に歌う機会が増えましたね。音源では優しく歌っていますが、最近はトレーニングを積み重ねて、独学ではありますが少しオペラ風に歌っているためか、コンサートでもこの歌になると、お客様が前のめりになって聴いてくださるんです。その評判がこの結果に反映されているなら嬉しいですね。今年の冬に予定されている全国ツアーでも、この曲は絶対に歌いたいです!

 そして、『夢やぶれて』のほうは、なんといってもミュージック・ビデオのインパクトが大きいと思います。復帰第1作ということもあって、かなり丁寧に撮っていただいた映像なので。それと当時、『レ・ミゼラブル』の劇場版が大ヒットしていたし、この歌詞の内容が、歌手でいるべきか否かという葛藤を抱えていた当時の私にマッチしたというのもあると思います。この歌については、劇中で表現される母親としての力強さや身を削らざるを得ない状況を理解しつつ、感情を強く出しすぎないように、バランスを考えて歌うようにしました」

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