静岡・川勝知事の後任に細野豪志氏、渡辺周氏、榛葉賀津也氏の名が浮上も「静岡財界ドン」の意中の人は「別にいる」

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「川勝色がつくのは迷惑」

 では次の知事は誰になるのだろうか。真っ先に名前が取り沙汰されたのは、辞任表明前に川勝氏から「後継指名を受けた」と伝えられた立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣(比例東海)である。渡辺氏自身も「そのような含みのあることを言われた」と認めていた。

 ただ川勝氏は会見で「渡辺氏を後継指名していない」と否定した。川勝氏によれば、渡辺氏は知事選に出た時に何度も応援してくれた恩があり、かつて知事職にも意欲を示していたが、「川勝知事が出るのであれば私は出ない」と言っていたとのこと。その際、「私が出ない時には連絡する」と約束していたので、その約束を果たしたまでとの話だった。永田町関係者によれば、渡辺氏はまんざらでもない様子だという。

「ただ周囲には『後継と目され、川勝色がつくことは迷惑だ』と漏らしています。野党系では国民民主党の榛葉賀津也幹事長(参院静岡選挙区)の名前も浮上しています」(永田町関係者)

 一方、自民から名が挙がっているのは、かつて“民主党のホープ”と言われながらも“転向”した細野豪志氏(静岡5区)である。こちらも天から降ってきたチャンスを伺っている様子だという。

「自民党に移っても大した役職も与えられずうだつが上がらないまま。後ろ盾になっていた二階俊博元幹事長も失脚してしまって、もう国政には居場所がないのでしょう。ただ裏金問題で批判が殺到しているこの最中、自民が独自候補を立てるのは難しい判断になりそうです」(同)

ドンが推す人物

 こんなふうに永田町では盛り上がってはいるが、地元では違った見方が出ている。

「どうやら永田町で取り沙汰されているどの候補についても、鈴木修スズキ自動車相談役が難色を示しているらしいのです。別に意中の人がいるようで」(前出・地元記者)

 御年94歳の鈴木氏は「静岡財界のドン」と呼ばれており、川勝氏の後ろ盾にもなってきた有力者だ。特にスズキが本社を置く浜松市においての影響力は絶大で、歴代の浜松市長は「鈴木氏が事実上決めてきた」と言われるほどである。

「鈴木さんはどうやら県ゆかりの官僚などを念頭においているようです。もう与野党が対立するような知事にはしたくはないでしょう。鈴木さんが後見人になって浜松市長を4期務めた鈴木康友氏を推す声も。こういう候補なら党派色も消えて与野党相乗りしやすい。地元政界と経済界も川勝さんの一人相撲に疲れ果てているので、知名度やパフォーマンスよりも実務や調整能力に長けた人物を望む声が高まっています」(同)

 早ければ7月中にも知事選が行われる見通しだが、果たしてドンの希望通りの人物が選ばれるのか。

デイリー新潮編集部

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