巨人は阪神3連戦で投手陣再建をアピール、新人・佐々木俊輔は1番ではない方が…【柴田勲のコラム】

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阪神に勝ち越し

 巨人が開幕カードとなった阪神3連戦を2勝1敗と勝ち越した。昨年は日本一、しかも対戦成績で6勝18敗1分と大きく負け越した相手だけに阿部慎之助監督率いる巨人、いい手応えを得たと思う。

 3連戦勝ち越しの主役は投手陣だった。

 確かに阪神打線は打てなさ過ぎた面もあった。第3戦で森下翔太の先制3ランが出るまで開幕から25イニング連続無得点、セ・リーグではリーグワースト記録だ。

 逆に巨人サイドから見れば開幕から25イニング無失点はプロ野球タイ記録、セでは最長だという。

 この3連戦、開幕投手の戸郷翔征、フォスター・グリフィン、高橋礼と三人の先発がそろっていい投球をした。

投手陣が良かった

 戸郷はさすがだった。常にストライクを先行させていた。真っすぐとフォークというイメージがあるが、これにスライダーをうまく使っていた。

 スライダーでカウントを取ることができれば投球の幅が広がる。6回を100球、被安打4で無失点。先導役をキッチリ果たした。

 グリフィンはいい球を投げよう、投げようとして力んでいた。変化球が抜ける場面も見られた。

 それでも7回途中被安打6で無失点、それほど良くなくても修正してまとめた。昨年もそうだったが、この安定感が強みだ。

 中継ぎ陣も良かった。第1戦、戸郷の後を受けて新人の西舘勇陽から中川皓太、最後を守護神・大勢が締めた。第2戦、西舘からアルベルト・バルドナード、最後は堀田賢慎が3人で打ち取った。

 こんな中継ぎ陣を見るのはいつ以来だろう。昨年までは終盤に入ると、中継ぎ陣が四球から崩れて試合が暗転するケースを何度も何度も見せられてきた。

 1、2戦の中継ぎ陣の四球は0、敗れた3戦目は2個だった。3連戦で先発した戸郷、グリフィン、高橋礼はそれぞれ2個だった。

 巨人、昨年はリーグワースト2位となる465与四死球を記録している。

 阿部監督は投手陣に「困ったらど真ん中に投げなさい」と指令を出している。コースを狙って力強さに欠けた球で自滅する。なら大胆に攻めなさいということだ。

 投手はストライクを先行させて打者を追い込むのが基本だ。打者は追い込まれたらボール球にでも手を出す。

 ストライクを先行させる。四死球を与えなければ勝てる。当たり前のことだが、いかに大事なことかも分かったのではないか。

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