センバツで「金の卵」は見つかったのか?スカウト陣が密かに注目する“有望株”4選手の実名

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飛躍が期待される「北海のショート」

 3人目は、北海のショート、幌村魅影である。幌村は、入学直後からショートのレギュラーを掴んだ。昨年の夏の甲子園は、3試合で4打数3安打と結果を残している。今大会の北海は、大阪桐蔭に1対7で敗れて、幌村自身も4打数ノーヒット、2三振。ただ、第1打席はファーストライナーに終わるも、大阪桐蔭の大型右腕、平嶋桂知が投じた144キロのストレートを痛烈に弾き返している。

「早くから試合で使われているので、持っている能力は高いと思うのですが、去年までは少し軽率なプレーが目立ちました。今大会は、捕球や送球に丁寧さが出てきましたね。それに加えて、プレーにスピードもあります。冬の間に、かなり守備を鍛えてきたと感じました。(身長は176cm、体重は76kgで)体は細いですけど、打撃ではリストの強さが目立ちます。(高校からプロ入りするのはなく)大学に進学して、体が大きくなれば、一気に伸びるかもしれませんね」(セ・リーグ球団スカウト)

 今大会、2つのゴロを軽快にさばいた幌村。4回には、4-6-3の併殺打を完成させ、落ち着いたプレーを見せてくれた。北海といえば、中日のルーキーでショートを守る辻本倫太郎(2023年ドラフト3位)が卒業後に仙台大へ進学し、大きくレベルアップして、ドラフト指名を勝ち取っている。幌村も辻本に続くような飛躍を期待したい。

モイセエフと並び称される「阿南光の大型スラッガー」

 最後は、阿南光のセンターで3番バッターの福田修盛だ。阿南光は、初戦の豊川と11対4で破り、続く2回戦は熊本国府に3対0で勝利した。福田は、豊川戦で6打数1安打、熊本国府戦は4打数1安打1打点で、1回に先制のタイムリースリーベースを放つなど、持ち前のパワーを見せつけた。

 スカウト陣からは、プロ注目の外野手、豊川のモイセエフ・ニキータと比較して、福田を高く評価する声が聞かれた。

「体つきは、モイセエフ(181cm、85kg)と比べて、福田(180cm、89kg)のほうが立派ですし、パワーも負けてないと思います。(今大会は)少し力みがあって、ミスショットが目立ちましたけど、対応力があります。センターからの返球は、モイセエフより間違いなく強いですよ」(セ・リーグ球団スカウト)

 4選手のなかで、ドラフト指名を勝ち取るのは誰なのか。引き続き、チェックを続けていきたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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