なぜ「水原一平」通訳は大谷翔平を騙し続けたのか? 精神科医が指摘「水原氏は“相手を操作する”ギャンブル依存症」

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 3月26日、ドジャースの大谷翔平選手(29)が会見を開き、元通訳・水原一平氏(39)による違法賭博疑惑について、自らの言葉で「関与」を全面否定した。MLBが調査に乗り出したこともあって質疑応答はなかったが、その真摯な姿勢に日米のメディア関係者の多くが好印象を抱いた一方で、専門家は「疑惑の中心人物」について重要な指摘をする。

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 会見で、大谷はスポーツ賭博などへの関与を否定した上で、水原氏が違法賭博に手を染めていたことを「初めて知ったのは韓国で第1戦が行われた後のチームミーティングの時」だったと明らかにした。その後、ホテルに戻ったあとで水原氏からより詳しい説明を受け、「彼に巨額の借金があることを初めて知りました。その時、彼は私に僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金」していた事実を告げられたという。

 大谷が代理人に相談すると、「代理人もやっぱり彼にウソをつかれていた」ことが分かり、球団関係者や弁護士に報告。弁護士からは「窃盗と詐欺」に当たるため警察当局に引き渡すとの報告を受けたといい、「(水原氏が)僕の口座から盗んで、みんなにウソをついた」と硬い表情で語った。

「会見で印象に残ったのは、大谷選手が『嘘』という言葉を約12分間という短い会見のなかで6度も使ったこと。今回の会見によって、水原氏のこれまでの説明が全部“作り話”だった可能性が高まり、“彼はなぜ、すぐにバレるようなウソをつき続けたのか?”と疑問の声が上がっています」(スポーツ紙記者)

 実際、水原氏がこれまで米メディアなどに語ってきた説明は二転三転し、都合が悪くなると前言撤回するなど“迷走”を極めた。

「ギャンブル依存者」を見極める9か条

 水原氏がスポーツ賭博に手を染めるようになったのは2021年。22年末までに100万ドル(1億5000万円超)を失い、23年に入ると借金総額が400万ドル(6億円超)にまで膨れ上がったとされる。

 当初、水原氏は米スポーツメディア「ESPN」のインタビューに対し、この時期に大谷に「状況を説明し、彼は私を助けると言った」と話した。具体的には、2人で一緒に大谷のパソコンを使って口座にログインし、「1回につき50万ドル(約7500万円)」を数か月の間に「(胴元側へ)8~9回送金した」と説明。しかしESPNが再取材を試みると、水原氏はすぐに「ウソをついた」と謝罪――。

 これまでギャンブル依存症患者を数多く診てきた精神科医の片田珠美氏がこう話す。

「一連の報道を見るかぎり、水原氏が賭博という行為に依存する“ギャンブル・アディクション(依存症)”であるのは間違いないように思われます。アメリカ精神医学会が『ギャンブル障害』の特徴として定義した9つのなかに〈賭博へののめり込みを隠すために、嘘をつく〉というものがあります。ギャンブル依存者はウソをつくことによる罪悪感や後ろめたさよりも、自己保身が勝る精神状態に置かれているケースが多い」

 9項目のなかには、他にも〈賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさら〉すことや、〈(賭博で)失った金を“深追いする”〉などの特徴が記されている。

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