センバツ、大阪桐蔭に初戦突破も“守備の綻び”が…スカウト陣は「1点を争うゲームでは致命傷になるかも」と不安視

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プロ注目のエース「平嶋桂知」

 現在の高校野球界で“王者”といえば、間違いなく大阪桐蔭(大阪)である。2008年夏に西谷浩一監督が就任してからは初となる甲子園優勝を果たすと、2012年と2018年には春夏連覇を達成。昨年夏こそ大阪大会の決勝で敗れて甲子園出場を逃したものの、秋の近畿大会では3連覇の偉業を果たし、5年連続となる選抜出場を決めた。3月22日に迎えた北海(北海道)との初戦でも“王者の貫禄”を見せつけた。【西尾典文/野球ライター】

 3回に3安打と3四球などで一挙に4点を先制すると、4回には1点、7回にも2点を追加。投げても先発したプロ注目のエース平嶋桂知(新3年)が7回を投げて1失点と試合を作った。続いて登板した2人の投手も無失点に抑え、7対1と危なげなく勝利をおさめた。

 西谷監督は、試合をこう振り返っている。

「初戦というのは何度やっても難しいのですが、子ども達がこの試合にしっかり合わせてくれたと思います。(先発の平嶋については)状態も良かったですし、背番号1を背負っているということで、責任感を持って投げてもらいたいという思いで、先発で起用しました。相手を見ながら、自分のリズムでしっかり投げてくれたと思います。(攻撃については)なかなか簡単に崩せなかったですけど、(先制タイムリーの)岡江(伸英)がよく打ってくれました。新基準のバット(飛ばないバット)になって、なかなかロング(長打)が出ないので、繋いで、繋いでやろうということは言いました」

投手陣は質・量ともに全国トップ

 北海戦の勝利で、西谷監督自身の甲子園通算勝利数は68となり 高嶋仁・智弁和歌山前監督が持つ歴代最多記録に並んだ。そのことについては「私の記録というよりも、歴代のOBたちが頑張ってくれたもの」と話したが、大会中の新記録更新の可能性も高そうだ。

 今年のチームで大きな強みと言えるのが、豊富な投手陣だ。先発した平嶋は最速149キロをマーク。それ以外にも140キロを超える投手を多く揃えており、新2年生の森陽樹は早くも来年のドラフトの目玉とも言われている。質、量ともに全国トップであることは疑いようがない。

 一方、打線は、西谷監督が言及したように、北海戦での8安打中7安打が単打と、なかなか長打は出なかったものの、上位から下位まで鋭いスイングが目立った。北海のバッテリーが11個もの四球を出したのも、大阪桐蔭のプレッシャーに押されていたと考えられる。

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