ネット炎上の象徴だった「嫌韓」が“下火”になった理由…無軌道な「ヘイト」の拡散を抑える“最善の策”とは?

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反日テレビ局

 その頃、民放各社は低コストながら視聴率が案外取れる、ということで韓流ドラマを流すようになっていた。ネットでよく取り沙汰される「メディアは在日に取り込まれている」ということではない。ただ単にビジネス上の理由から流しただけである。また、K-POPの歌手も音楽番組に登場するようになった。ペ・ヨンジュンやイ・ビョンホンやチェ・ジウといった韓流スターも女性を中心に人気になり、東方神起、KARA、少女時代らも大きな存在感を示した。

 まさに日本のテレビも雑誌も韓流頼みとなったのだが、これが反動を呼ぶ。すでに嫌韓の素地が完成していた2011年7月、俳優・高岡蒼佑が、フジテレビが韓国のコンテンツばかり流しているとXで批判。その後、高岡は所属事務所から契約解除をされた。この頃、『笑っていいとも』(フジテレビ系)が「好きな鍋ランキング」を発表し、全世代でキムチ鍋が一位だったことから「反日テレビ局」「ウジテレビ」などと呼ばれるようになっていた。いやいや、フジサンケイグループって完全に保守派だろ……というツッコミもなんのその、フジテレビ=反日テレビ局の代表、的イメージは確立された。

ウリジナル

 こうした時代背景から8月7日にフジテレビに対する抗議デモが行われた。この日は数百人程度の参加だったが、21日は5000人が参加したとされている。私も取材に行ったが、相当の人数がいた。そしてその年末、K-POPグループが3組出場するということで、紅白歌合戦が行われるNHKホール前で大晦日に抗議デモが決行された。

 前出の在特会は週末ごとに嫌韓デモを行い、韓国および在日コリアンに対するヘイトスピーチを巻き散らかした。衝撃的だったのは、2013年、大阪のコリアンタウン・鶴橋で女子中学生がこんなスピーチをした時だ。

<鶴橋に住んでる在日クソチョンコの皆さん、そしてここにいる日本人の皆さん、こんにちは!>、<もう殺してあげたい。皆さんも可哀想やし、私も憎いし、死んで欲しい。いつまでも調子に乗っ取ったら、南京大虐殺じゃなくて、鶴橋大虐殺を実行しますよ!>、<ここは朝鮮半島じゃありません。いい加減帰れー>

 この頃になると、雑誌とネット記事、さらには5ちゃんねるのまとめサイトを中心に嫌韓ネタを投下するようになる。その方が部数もPVも伸びて収益化するからである。雑誌は「ウリジナル」特集なども展開。韓国が起源を主張することを「ウリジナル」と呼び、ソメイヨシノ、剣道、イエスキリストなどが韓国由来である、と主張することを紹介し、嘲笑を浴びた。

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