世界ランク1位でも…シェフラーが“タイガー・ウッズの後釜”になれそうにない理由

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 タイガー・ウッズはフロリダ州のTPCソーグラスで開催されたプレーヤーズ選手権(3月14~17日)を欠場した。理由は分かっていないが、現在のウッズの成績を考えると今後も出場資格を得られる可能性は高くはない。いま米メディアが話題にしているのは、「ウッズの後釜は誰か?」ということである。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

タイガー・ウッズの不在

 ゴルフの世界では、マスターズ、全米プロ、全米オープン、全英オープンが「メジャー4大会」とされ、プレーヤーズ選手権は「第5のメジャー」と呼ばれている。賞金総額2000万ドルのシグネチャー・イベントの1つであり、PGAツアーが誇るフラッグシップ大会だ。

 すでにリブゴルフへ移籍してしまったスター選手の姿はもちろん無いものの、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを筆頭とするPGAツアーのトッププレーヤーが難コースのTPCソーグラスに集結。しかし、開幕前から米メディアが話題にしていたのは、今大会を欠場したタイガー・ウッズのことだった。

 いや、正確に言えば、ウッズに続く「ネクスト・タイガー」は果たして「出現するのか、しないのか?」という話だった。

シェフラーはまだ79週

 米フロリダ州の地元紙は「タイガー・ウッズは683週、グレッグ・ノーマンは331週、スコッティ・シェフラーは78週」と記し、「近年の世界ナンバー1はなぜ短命なのか? なぜ王座に座った後に奈落の底へ落ちるのか?」と大きく首を傾げていた。

 これまで世界ランキング1位の座に最も長く君臨したのはウッズで、通算683週だった。ウッズに次いで2番目に長いのは、現在、リブゴルフCEOを務めるノーマンで、通算331週だ。

 シェフラーはプレーヤーズ選手権が開幕した時点で、世界ランキング1位を78週維持していた。そして、同選手権を2位に1打差で制し、史上初の大会2連覇を達成、世界ナンバー1の座をさらに揺るぎないものにした。

 79週目となったシェフラーの王座君臨期間は、現代では「長期」になりつつある。だが、ウッズやノーマンと比べたらまだまだ「長期」とは言えない。

世界ナンバー1は長くは続かない

「ウッズ以降、シェフラー以前」に世界ランキング1位に輝いた選手を振り返えると、ジョーダン・スピース、ジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、ジョン・ラームといった面々が次々に入れ替わる「リボルビングドア(回転ドア)」状態だった。

 ジョンソン、ケプカ、ラームは世界ランキングのポイントを稼ぐことができないリブゴルフへ移籍しているため、彼らの順位がどんどん下降しているのは当たり前ではある。

 だが、彼らがリブゴルフへ移籍する以前までに限定しても、ウッズやノーマンのように長期間、世界ナンバー1で居続けることができた選手は1人もいなかった。

 そして、スピースやデイは世界ランキングの対象であるPGAツアーで戦っているにもかかわらず、1位の座を長く保つことはできなかった。それどころか、彼らは一時、大スランプと呼んでもおかしくないほど低迷。現在は復活傾向にあるとはいえ、3月17日現在、スピースは16位、デイは21位、往年の世界ナンバー1の輝きはすっかり失われた。

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