青木功JGTO会長の後任を巡ってドロドロの展開に 反対派が暗躍…大手スポンサーは「青木さんがいなくなったら降りる」

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 青木功氏(81)が日本ゴルフツアー機構(JGTO)の会長を退任する。だが、いまだに後任が決まっておらず、組織はゴタゴタの真っただ中だとか。なぜ、男子プロゴルフ界は一向にまとまらないのか。背景には、反青木派が仕掛けてきた熾烈(しれつ)な権力闘争があるという。

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 日本人の男子選手として初めて世界ゴルフ殿堂入りを果たした、誰もが認めるレジェンドの青木氏がJGTOの会長に就任したのは2016年のこと。

「青木は人気低迷が続く男子プロゴルフ界を盛り上げる切り札として、周囲に請われて会長に就きました。4期8年にわたって豊富な人脈を生かし、有力なスポンサーをつなぎ止め、米ツアーの試合を誘致し、下部ツアーを充実させるなどの功績を残してきました」(ベテランゴルフ記者)

 JGTOは男子ゴルフのプロツアーを統括する組織で、その会長は年間20試合以上に同行する激務だ。

「高齢にもかかわらず火中の栗を拾い、身を挺して会長の職にあたってきた青木には、惜しみのない賛辞が贈られてきました。ツアー数は増やせませんでしたが、それは男子プロゴルフ界に石川遼(32)以外、これといったスター選手が不在の現状では極めて難しいミッション。むしろ、青木の尽力で人気低迷を最小限にとどめることができた、というのが大方の見解です」(同)

反青木派のクーデター

 今月4日、そんな青木氏が同19日に開催されるJGTOの総会をもって退任する旨を発表した。

「元々、青木は会長をこれ以上務めるつもりはなく、退任は既定路線でした。ただし、慣例では自動的に繰り上がる名誉会長の職もわざわざ拒否したそうで、今回、これが波紋を呼んでいます。反青木派の増長でJGTOに愛想を尽かしてしまったのだと」(同)

 22年以降、選手会の会長を務める谷原秀人氏(45)が中心となり、クーデターが画策されていった。

 たとえば昨年、谷原氏のスポンサーの「ABCマート」創業者で当時JGTOの副会長だった三木正浩氏(68)が、青木派に退陣を迫ったこともあった。結局、この“三木の乱”は失敗に終わるが、現在まで谷原氏ら反青木派は体制転覆の機をうかがってきたとか。

「昨年以降、青木をはじめとする現執行部はJGTOの次期会長に大和証券元会長の鈴木茂晴さん(76)を推薦し、本人の了承も取り付けていました。しかし、2月初旬に谷原が動いた。直接、鈴木さんに電話をかけ、次期専務理事に有名選手の倉本昌弘(68)を就けることなど、自分の息がかかった人物を登用するように要求したのです。それで、鈴木さんは激怒して会長候補を降りてしまいました」(同)

 今回、青木氏が名誉会長の職を拒否した理由は鈴木氏が降りたからだ。鈴木氏がいないならもう一切JGTOの職は続けられない、との気持ちがあったという。

「反青木派からすれば“してやったり”の状況が訪れ、現在、次期会長に倉本を擁立しようと動いています。2月13日、彼が選手会のアドバイザーという要職に就いたことも、会長就任への布石だとみられています。谷原たちは、理事や会長の人事が決まる19日の総会で一気に、次期執行部を“お仲間”で固めようとしているのです」(同)

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