保守王国・前橋で「女性市長誕生」の裏側 「福田系と中曽根系の抗争が持ち込まれた」

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 今月4日に行われた前橋市長選挙は、無所属の新人・小川晶元県議(41)が、自民、公明両党の推薦で4選を目指した現職の山本龍氏(64)に勝利した。前橋市における女性首長の誕生は初めてで、“保守王国の地殻変動”と併せて話題をさらったが、内実は複雑だ。

「自民党派閥の裏金問題が山本陣営への逆風になったのは確かです。とはいえ、本当の敗因は別にある」

 とは政治部デスク。群馬県は戦後に福田赳夫、康夫、中曽根康弘、小渕恵三と4人の総理が輩出した堅固な保守地盤として知られるが、

「衆院の中選挙区時代から続く福田系と中曽根系の抗争が、形を変えて市長選に持ち込まれたんですよ」

12年越しのリベンジ

 昭和の世の旧群馬3区では、福田、中曽根、小渕の三家がしのぎを削った。生前、小渕は自身を「ビルの谷間のラーメン屋」と卑下したが、それは長らく群馬県政を福田系と中曽根系が牛耳ってきたからだ。いまでは福田達夫副幹事長(56)、中曽根康隆元防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官(42)、そして小渕優子選挙対策委員長(50)がそれぞれ“家業”を継いでいる。

「平成19年に行われた県知事選挙では、福田系候補が現職の中曽根系候補に勝利。当時の前橋市長は中曽根系でしたが、平成24年に福田系に交代。今回、その折に落選した元市長が小川の支援に回り、12年越しにリベンジできたワケです」

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