外国人の男女が日本で結婚すると得られる「家族滞在ビザ」の知られざる実態 「日本の男と我慢して交際しなくていい」という声も

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制限のない難民認定

 在留資格はそれぞれの種類によって、日本での滞在期間、就労内容、活動範囲等が細かく設けられている。例えば「興行」という在留資格なら、滞在期間は15日間から3年間で、興行や芸能に係る活動だけが認められている。「介護」なら3カ月から5年間。介護業務に従事することだけが認められている。

 基本的に、一人の外国人が保有できる在留資格は一つだけだ。しかし入管から資格外活動の許可を取得すれば、在留資格以外の仕事をすることも可能となる。また滞在期間を延長したい場合は、その都度入管に出向いて更新手続きをすればいい。もしも更新を忘れて在留資格の期限が切れたままにしておくと、その時点でオーバーステイとなる。働くと不法就労となり、収監や強制送還の原因となってしまう。

 こういった資格だけでなく、難民認定によって日本国内に在留する方法もある。難民は難民条約(難民の地位に関する条約)によって保護され、年金や福祉手当や扶養手当の受給も可能となり、就労制限なども特にない。かなりオールマイティーなものである。

 昨今、埼玉県内に多く住むクルド人たちに関する問題がSNSなどで問題視されている。彼らの多くが、難民、もしくは難民申請期間中、または家族滞在の在留資格者である。

高いコミュニケーション能力

 国を持たない少数民族としてトルコ国内で迫害を受け、日本に難民として逃れてきたクルド人たちが、1990年代から埼玉県の川口市とその周辺に住むようになった。

 クルド人の集住地としては国内最大で、約3000人以上が暮らしていると言われている。だが、不法滞在者も多く、川口市も正確な滞在者数が掴めていない状況だ。

 無免許運転や暴走など、クルド人の問題行為は日常化している。2023年7月には、殺人未遂事件を起こしたトルコ国籍の男性とのトラブルが原因で、市内の病院前に100人以上のクルド人が殺到。救急搬送の受け入れが5時間以上も停止され、県警の機動隊が出動する騒ぎになった。

 SNSなどでは日本にいるクルド人たちに対して否定的な見方が多いが、彼らに対して好意的な意見も少なからずある。実際にクルド人たちを現場作業員として雇ったことがある解体業者の社長は「日本人の作業員よりも扱いやすい」と言う。

「日本人は職人魂というか、変なプライドがあって、現場でのコミュニケーションが取り難いことがよくあります。『それはこっちがやることじゃない』とか、『これはそっちでやってくれ』とか、『それは言わなくても分かるだろう』とか、立場が上だとか下だとか……。でもクルド人ならそんなことはなく、日本人と一緒に和気藹々と働き、頼んだり頼まれたりしながらチーム単位で平等に作業をこなします。日本語は上手ではありませんが、日本人よりコミュニケーションがスムーズなのです。日本人より手際がいい作業員もいます。ビザの問題とかいろいろあるのは分かってますけど、実際、現場が円滑に回るんで文句はないですよ」

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