外国人の男女が日本で結婚すると得られる「家族滞在ビザ」の知られざる実態 「日本の男と我慢して交際しなくていい」という声も

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「就労時間制限」の抜け穴

 ペルー人男性のアレックスさんは「日本の女からだけじゃなく、日本にいる外国の女からも貢いでもらってるよ」と話す。彼は日本人男性に嫌気がさしたロシア人女性のアンナさんと日本で結婚した。

 滞在資格を持つアレックスさんと結婚したことで、アンナさんは家族滞在の資格を得ることができた。そこでアンナさんは、月々の家賃を自分一人で払っている。横浜市の賃貸マンションだから家賃はそれほど安くない。しかしアンナさんは家族滞在の資格が必要なため、家賃の全額負担を受け入れている。日本に住む外国人にも色々なライフスタイルがある。

 ちなみに、家族滞在の資格だと、週28時間までの就労しか認められていない。だが、この規定に苦しめられている外国人は少ないようだ。

 ベトナム人のチャンさんは、ふたつのアルバイトを掛け持ちしている。一つの勤務先は自分が持つ家族滞在の資格を使い、もう一つの勤務先では友人の資格証(在留カード)を見せて面接をクリアした。

 顔写真付きのカードではあるが、日本人にベトナム人の顔は見分けがつかないことが多い。また、かなりの日本人が身分証に顔写真が付いているだけで信用してしまい、写真と実際の顔を丁寧に見比べたりはしない。こうしてチャンさんは、週28時間以上、働いているという。

在留資格は33種類

 また、地方の建設業などでは、慢性的な人手不足が続いている。外国人労働者のオーバーワークを暗黙の了解で黙認している日本人管理者も多い。今後、日本で社会問題となることは間違いないだろう。

 こうした外国人を取材すると、日本に特別な興味を持っていない者も目立つ。不景気が長く続いている日本経済に期待しているわけでもない。にもかかわらず、なぜ彼らは日本に住もうとするのだろうか?

 それは、日本人が「外国人に気を使う」からである。マナー違反など日本人なら許されないことでも、「外国人だから」と多目に見られることも多い。世界広しとは言え、こんな国は日本ぐらいしかない。こうした傾向を知ると、外国人は日本を離れたくなくなるという。

 そもそも在留資格という制度は、国家が人口や治安、感染病の予防など、様々な管理統制のために用いている。改めて在留資格について簡単に解説しておきたい。

 日本に住む外国人は何かしらの在留資格を持っている。入管法で定められた法的資格で大きく種類分けをすると、永住者や日本人配偶者の資格などで知られる身分系のものと、留学や技能実習などで知られる活動系のものとがあり、在留資格は全部で33種類もある。

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