マニア注目の“天空の要塞”こと「若松鉱山」が、“観光客を呼べる貴重な産業遺産”と言われる納得の理由
2008年には「近代化産業遺産」に認定
近年、マニア筋から熱い視線を集めている廃鉱山がある。
鳥取県日野郡日南町。広島県、岡山県、島根県と県境を接する町の山中、標高770メートル付近。ふもとの県道から分岐する細い山道を車で10数分登ると、突如として古びた建屋が姿を現す。“天空の要塞”こと「若松鉱山」だ。【華川富士也/ライター】
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若松鉱山はかつて「クロム鉱石の産出量日本一」の山として知られていた。1905年から95年まで稼働し、ここで採れたクロム鉱石は耐火レンガの原料となって、セメントを製造する焼成窯(キルン)や製鉄所の溶鉱炉の内側に用いられた。...