【騒動】尹大統領夫人に30万円「ディオール」バッグを受け取らせた牧師の正体 “授受現場”を隠し撮りしたネットメディアと産経新聞の因縁

国際 韓国・北朝鮮

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 韓国の大手通信社・聯合ニュース(電子・日本語版)は2月2日、「尹大統領の支持率29% 約9か月ぶり30%割り込む」との記事を配信した。世論調査会社の韓国ギャラップが尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持率を1月30日から2月1日にかけて調査すると、その結果は29%だったという。

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 30%台を割ったのは約9カ月ぶりということもあり、日本でも複数のメディアが尹大統領の支持率低下を伝えた。日本経済新聞(電子版)も2月8日、「韓国大統領、夫人問題収拾図る 収賄疑惑で支持率低下」との記事を配信している。

 見出しに「夫人問題」、「収賄疑惑」とあるが、この内容を熟知している日本人は、そうはいないはずだ。日本のメディアが詳報していないためだが、韓国では昨年の11月から大騒ぎになっている。

 尹大統領の夫人は金建希(キム・ゴンヒ)氏。1972年9月にソウル市で生まれ、京畿大学校芸術学部を卒業。国民大学校テクノデザイン大学院で博士号を取得した後、2012年にはソウル大学校経営学専門大学院でエグゼクティブMBAを取得した。担当記者が言う。

「2012年、当時は検察官だった尹氏と結婚しました。尹氏は1960年12月生まれですから、年齢差は12歳になります。金氏は私立大学の教授に就任するなどしながら、文化・芸術コンテンツの制作や投資を行う会社を設立。尹氏が大統領選を制したのは22年5月のことでしたが、金氏は21年6月の時点で約70億ウォン(約7億8000万円)の財産を有していることが明らかになっています」

 この金氏が原因で、夫である尹大統領の支持率が低下したというのだ。一体、何が起きているのだろうか?

産経新聞の支局で大暴れ

「韓国に『ソウルの声』というインターネットメディアがあります。論調は左派ですから、もともと尹大統領には批判的です。先鋭な主張と報道で知られていますが、『ソウルの声』は昨年11月、金さんがオフィスで高級ブランド『ディオール』のバッグを受け取る隠し撮りの動画をYouTubeの公式チャンネルにアップしました。送り主は北朝鮮を礼賛し、南北統一運動で知られる牧師。バッグの価格は約30万円だったそうです。たちまち野党は『明らかな違法行為』、『説明責任を果たす必要がある』と尹大統領を強く批判しました」(同・記者)

「ソウルの声」の報道を受け、韓国では大手新聞社など主要メディアが相次いで後追い記事を配信。いずれの記事も金氏を隠し撮りした動画から静止画を作成し、報道引用の形で“決定的瞬間”の模様を伝えた。たちまちネット上でも静止画が拡散するなど、韓国世論は敏感に反応した。

 この「ソウルの声」だが、なかなかお騒がせなメディアだ。2019年7月には代表などが産経新聞ソウル支局を訪問。『ここがいつも韓日問題を作る問題の報道機関』などと声を上げ、インタビュー取材に応じろと強要した。結局、業務妨害罪で起訴され、2022年に罰金刑が確定している。

「金氏や尹氏に対する批判も多いのですが、『ソウルの声』の報道姿勢についても疑問の声が出ています。何しろ牧師は最初から隠し撮りを行うつもりでバッグを準備し、金さんに接近しました。さらに一部の報道によると、『ソウルの声』は牧師にバックの購入代金や、腕時計型の隠しカメラを提供したそうです。これではさすがに報道倫理上、問題があるという意見も少なくありません」(同・記者)

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