阪神・梅野隆太郎(32)、坂本誠志郎との「正捕手争い」に敗れても“安泰”のナゼ FA市場で“引く手あまた”、移籍先の最有力球団とは?

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坂本と立場逆転でも「強肩強打の捕手」は高値安定

 プロ野球阪神の梅野隆太郎捕手は、キャンプから早くも坂本誠志郎捕手(30)とのレギュラー争いがヒートアップしている。梅野は一昨年オフの岡田彰布監督の就任時、同監督から正捕手に指名されながらも昨季は8月に死球による骨折で長期離脱し、72試合の出場にとどまった。これに対し、坂本は自己最高の84試合に出場し、日本シリーズでは全試合フルイニング出場で38年ぶりの日本一に貢献した。

 坂本が先発マスクをかぶると、チームは47勝16敗と出色の成績を残した。梅野は33勝28敗だった。捕手は個人成績以上にチーム成績がその評価を左右するものだが、岡田監督は今季も投手との組み合わせを変えつつも併用の基本方針は変えないようだ。

 一方で、かねて複数の評論家からは坂本のレギュラー起用を推す声が上がっている。いざ開幕し、坂本ばかりでチームが勝つようなら梅野の出番は減っていく可能性がある。それでも、「強肩強打の捕手」としての価値は落ちることなく、在京球団編成担当によると、今季が3年契約最終年で今オフ、既に保持している海外フリーエージェント(FA)権を行使できる梅野は他球団から引く手あまたなのだという。

 梅野と坂本の正捕手争いは阪神史上初のセ・リーグ2連覇に向け、大きなポイントになるとみられている。実績では日本代表での東京五輪金メダルを含め、梅野がリードしてきたものの、坂本が昨季飛躍したことで、両者の立ち位置は大きく変わった。

 プレースタイルは対照的だ。さる元NPB球団監督が2人の特徴を語る。

「梅野は強肩、ブロッキングで坂本を上回り、打撃も一昨年までは上とみていたのですが……。去年の坂本の急成長は特筆に値します。とりわけ、もともと定評があった投手に対する包容力は梅野が及ばないものを感じます。自分の配球のセオリーにこだわることなく、投手をよく観察していて、その日その日で調子がいいボールを中心にするなどして臨機応変に組み立てていく。低めの球をストライクと判定してもらおうとする献身的なキャッチングや、たとえ投手が逆球を投げたとしても、制球ミスへの不快感など微塵も見せず、気にするなと言わんばかりに投手をもり立てる仕草は捕手の鑑と言えるのではないでしょうか」

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