「極道史上初、兄貴が舎弟を銃撃」で全国指名手配中の暴力団ナンバー2が電撃逮捕 ラーメン組長射殺事件との関連も追及か

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3代目弘道会傘下へ

 実際に宮下組長が絆會を脱退し、6代目山口組の中核である3代目弘道会傘下の3代目高山組(本部:愛知県名古屋市)に移籍が決まったのが9月28日で、その日に銃撃を受けたことになる。その後に宮下組長は3代目弘道会の直参に昇格し、4代目改め3代目竹内組の組長を名乗っている。

 ちなみに3代目高山組トップの南正毅組長は、7代目体制となれば幹部入りは既定路線とされる有力者だ。

 絆會では2020年の事件発生当時、池田幸治若頭(真鍋組組長)、山崎博司本部長(古川組組長)がいずれもカタギとなり、組織の弱体化が指摘されていた。そんな中、ナンバー2となったのが金容疑者だった。

「食っていくために若い衆を連れて有力組織に身を置くという宮下組長の判断は当然のことでしょう」

 と、竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)。

「一方で、金澤会長(金容疑者)は織田組長の一番の腹心で、最後の1人になっても絶対に裏切らないと言われてきました。それだけに、弟分の宮下組長が6代目側に移るのは看過しがたかったはずです」

絆會の資金事情にも

「“オレについてこい。なぜついて来ないのか?”と3時間にわたって説得したようですが、不調に終わり、発砲してしまったのかもしれません」(同)

 ラーメン店の駐車場という一般市民が普通に出入りするような場所で事件が発生したことに加え、兄貴分が舎弟を“ハジいた”のは極道史上例がないということもあってか、事件は大いに注目されたが、金容疑者は逃走を続けた。桐島とは比べるべくもないが、それでも3年以上は逃亡生活を送ることができたわけである。

「警察は、絆會側が逃走を支援しているとみていたと聞いています」(同)

 実際、アパートの1室は絆會関係の関連企業が契約していたことがわかっているという。

 金容疑者をめぐっては、「余罪」についても警察が関心を寄せているとの情報もあるようだ。

 2022年1月、茨城県水戸市の6代目山口組の3次団体の事務所で当時40歳の若頭が頭や腹などを撃たれて殺害される事件があった(関連記事〈6代目山口組傘下、水戸の幹部射殺事件 ケーキ片手のヒットマンに丸腰で現れた若頭〉)。ヒットマンは、事務所に向かう前に近くのケーキ店に立ち寄り、手土産を携えた客として訪問したようだ。この事件に金容疑者が関わっていた疑いがあるとみて、茨城県警が殺人の疑いで逮捕状を取っており、今後、逮捕の予定だ。さらに……。

「去年4月、神戸市長田区のラーメン店で3代目弘道会直参組長でもある店長が白昼、射殺される事件が発生し、騒ぎになりましたね。その後、ヒットマンが金容疑者ではないかと捜査当局が注目しているとの説がずっと流れていました。防犯カメラ動画から金容疑者に似ているとの指摘もありましたが、その動画リレーがうまく実を結ばなかったとも言われてきました。が、今回の情報提供とは別に潜伏先につながる何かがあるのかもしれません。現時点では、あくまでも推測に過ぎませんが」(先のデスク)

 指名手配犯の逃走劇に終止符が打たれ、今後は絆會の資金事情などにメスが入り、さらに別の抗争事件の真相が明らかになるのだろうか。

 余嶋組長が銃撃された際のヒットマンの動きについては、【関連記事】〈「ラーメン組長」射殺事件で「別のラーメン店銃撃事件」指名手配犯の存在がクローズアップ〉で詳報している。

デイリー新潮編集部

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