「ひじき」「ブロッコリー」「焼きのり」「金時豆」を政治資金で購入していた…土屋品子復興相「政治団体」の不可解な領収書が発覚

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 安倍派裏金事件を発端として、いま、「政治とカネ」の問題がかつてないほどに注目を集めている。政治家それぞれに政治資金の透明性が求められる中、復興大臣を務める土屋品子衆院議員の政治資金を調査したところ、不可思議な領収書が含まれていた。

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あだ名は“なにもしな子”

 土屋大臣は埼玉県春日部市などを地盤とする現在9期の衆院議員である。

 土屋大臣の父は参議院議長や埼玉県知事を歴任した故・土屋義彦氏。その独裁的な県政は「土屋王国」とも称された。娘である土屋大臣は96年の衆院選に無所属で出馬し初当選。01年に自民党に入党した。その後は父親の後援会組織をフル稼働させ、当選を重ねてきた。

 しかし、地元での評判は必ずしも芳しくない。

 地元政界関係者に言わせると、

「古くからの自民党の支援者の中には土屋さんのことを“なにもしな子”というあだ名で呼ぶ人もいます。何もしない、何もしてくれない。決して悪い人じゃないんですけど、やる気がないんでしょうね」

 その土屋大臣は政界を揺るがしている一連のパー券裏金問題について、12月の記者会見で「本当に残念」と述べていた。ならば、土屋大臣自身の政治資金は清廉潔白なのだろうか。

 そもそも、昨年「週刊新潮」は彼女の家賃の問題を報じている。

 土屋大臣が代表を務める資金管理団体「竜の会」について、11年から13年の政治資金収支報告書を確認すると、かつて土屋大臣が主宰していたフラワーアレンジメント教室が入るビルの家賃を拠出していたことがわかるのだ。つまり、お花の教室の家賃を政治資金で処理していたことになる。土屋事務所は当時の取材に「議員はこの不動産を政治活動にも利用し(中略)竜の会がフラワーアレンジメント教室の賃料を支払っていたわけではありません」と否定するも、誤解を生む政治資金の使い方であったことは間違いあるまい。

「ひじき」「ブロッコリー」「枝豆」 「里芋」

 そこで取材班はこの「竜の会」の少額領収書について、情報公開請求を行った。

 一般に公開されている政治資金収支報告書は、政治活動に関するすべての支出と領収書が開示されているわけではない。資金管理団体など国会議員関係団体の場合は1万円を超えない支出については、明細を記載する必要もなく、少額支出の領収書について知るには、総務省や各都道府県に対し、情報公開請求を行わなければ明らかにならない。

 そこで土屋大臣の「竜の会」の少額領収書について情報公開を請求し 、中身を確認すると、不可思議な領収書が含まれていた。ちなみに「竜の会」が所在しているのは土屋大臣と親族が所有する春日部市内の3000平方メートルは超える敷地に建つ大豪邸である。

 例えば、2021年10月4日。春日部市内のスーパーで「こうや豆腐」「金時豆」「焼のり」「干しするめ」「昆布」「桜えび」など4248円分を購入している。

 また、その4日後の10月8日にはまた別の春日部市内のスーパーで野菜や果物を多く購入している。領収書には「ひじき」「ブロッコリー」「大根」「人参」「枝豆」「ごぼう」「里芋」「シャインマスカット」「ぶどう」「柿」などの記載があり、金額は8753円だった。その翌日には同じスーパーで「丸魚」3024円を購入している。

 政治資金収支報告書は元来、政治活動に関わる収入や支出を記載するはずだ。果たしてこれらの食品は政治活動に使われたのか。

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